周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ637 

2016/01/23
Sat. 23:50

今日は、夜半からまた雪が降るという天気予報を聴き、灯油を購入して備えておく。

先日の雪で、団地は我が棟含めて一部停電となり、午前中から夕方近くまで電気が使えなくなってしまい、エアコンや電気も使用する石油ファンヒーターやガスヒーターも使えなくなってご近所の人たちは大変だったらしい。
幸い我が家のメイン暖房器は、上にやかんの乗せられる電気は使わぬ灯油ストーヴだったので暖を取ることが出来た。
オートロックもエレベーターもない築46年のアナログ団地も、やはり電気が止まると大変な事態になる。それにしても、あのくらいの雪で停電が起きたり、月曜日一日続いた交通機関の乱れっぷりは、予測はしていたが東京周辺の天候や天災に対するぜい弱さをあらためて思い知った。電車についてはそもそも利用者が多過ぎるというのもあるのだとは思うが。

昨夜遅くに実に久しぶりにテレビ番組をちゃんと観た。
ふだんはラジオばかり聴いており、14型の小さなテレビはもっぱら子どもたちが占領していて、昔は親父の特権だったチャンネル権(そのおかげで親父の好きだったプロレスを一緒に観てのめり込んでしまった)はとうに放棄してしまっている。

深夜0:00にEテレで再放送された「日本人は何をめざしてきたのか」は、戦後の障害者福祉の歴史を丹念に追ったドキュメンタリー番組で、日本酒をチビチビ呑みながら画面に釘付けになった90分であった。それだけ充実した内容であり、ぼくのように障害者福祉で飯を喰らう者には必見であることは言うに及ばず、日本の障害者福祉を初歩から学ぶのに良いテキストだとも思った。が、しかし、それでも内容的には個人的に大いに不満が残り、殊に現在の障害者福祉を語る視点は肝心要の部分(ぼくにとってかもしれないが)が描かれておらず、観終わった後は、さすがは政権放送のNHKだなぁという感想が最も強く残った。

それでも、あくまで当事者の証言や視点から語られる歴史(川崎駅前のバス搭乗拒否に反対した青い芝の会の証言や、府中療育センターの当事者抜き運営に抗する都庁前テント抗議行動に参加した方たちの証言等)は、やむにやまれぬ実力行使と行政側とが良い意味でガチンコしながら制度を生み出していった緊張感と時代を知らしめる。

生涯居住施設としてのコロニーの創設や、今でも語り草の美濃部革新都政時代の施設増設ラッシュと、それ以降の“施設から地域へ”の試み、そして支援費制度を経て突如出てきた障害者自立支援法とその成立、さらにぼくも支援活動に参加している自立支援法違憲訴訟までちゃんと盛り込んで解説してくれてはいた。しかし、“施設から地域へ”のくだりでは、法内施設の増加は説明されたものの、その反動も大いにあって最高時全国で6000ヶ所以上もあった無認可法外施設である小規模作業所の存在は語られなかった(唯一違憲訴訟当事者原告の秋保さんご夫妻のふだん働いている所として「作業所」が語られたのみ)。これは自分の働いている所だからというひいき目を抜きにしても、障害者福祉の歴史を語る上で不十分と言わざるを得ない。無認可法外施設は、それこそ玉石混合、有象無象良かれ悪しかれグローカルな施設として地域に入り乱れるように根付いていた。

それと決定的なこの番組の過ちは、尾辻元厚労省大臣(自立支援法成立時の大臣)に登場させ障害福祉施策や自立支援法について好きに語らせたところだ。まず、支援費制度が予算的に行き詰まり、あたかもその制度的中身の良さはそのままに、財務省を納得させるために応益負担(要するに福祉サービスの自己負担)を盛り込んで自立支援法を作ったと尾辻は語るが、そもそも支援費制度と自立支援法は根本的に中身が違うものであり(自立支援法は既存の施設の運営方法を180度変えるもの)、尾辻は「今だから言うけれど」ともったいぶって財務省からの圧力を語ったが、こんなことは我々は10年前にとっくに知っていた話である。
しかも、自立支援法になって義務的経費(国が支出を保障する経費)となったおかげで、この間障害福祉予算は上がり続け福祉サービスは充実してきているかのように言っていたが、これもとんでもない欺瞞である。先に述べたように全国に6000ヶ所以上あった無認可法外施設は、それまで都道府県や市区町村からの補助金により運営されていたが、それが自立支援法内への強制移行にによりそのほとんどが国から義務的経費の出る(が、効率優先、成果主義、競争原理に基づく事業体系)事業に変わったので、当然国の支出は増える。それに、この法の根幹である規制緩和により株式会社や介護事業所等が多く参入して来て事業を展開し出した所為である。これだけをもって福祉サービスが充実したと言うのは暴論以外の何ものでもない。

自立支援法が憲法の保障する生存権に反すると起こされた違憲訴訟を取り上げたのは良いが、そこで交わされた合意文書がまさに反故にされている現実を番組は描かない。逆に合意文書により法は良いモノになったという論調である。当然合意文書を交わした当時の民主党長妻元厚労大臣が、約束した自立支援法の廃止をその舌の根も乾かぬうちに破った事なども描かれない。
番組後半は正直だんだん腹が立って来てぼくは酒をあおり出した。

ただ、唯一の救いは、原告団の一人であり基本合意文書にもサインをされた広島県在住の秋保さんご夫妻の日常生活が淡々と映し出されている様子と、重度の障害を持ちながら幾つの時代をご夫婦で地域で暮らし生きてこられたことを語られる場面だ。
国と厚労省を動かし合意文書が交わされた時の気持ちを語る場面では、この間集会や定期協議に参加して拝見している毎回広島から上京されて発言されているご夫妻の姿を重ねて込み上げてくるものがあった。

秀逸な番組ではあったが、何より今日本(国、厚労省)が目指している障害福祉を正確に語っていない。というより意図的に隠ぺいしているだろう。隅々まで資本主義を行き渡らせ、小さな政府を目指し、あくまで自己責任(自助)を原則として、足りない部分を福祉サービス(公助)で補うとは、番組偏向上政権放送局としては描けないのだろう。
それでも(それだからこそ)ぜひとも観るべき番組であった。

今宵のBGMは、ティム・ハーディンのブルーズ色濃厚なティム・ハーディン4。今週はティム・ハーディンばかり聴いておりマス。
BG酒はブラックニッカハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
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