周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ632 

2016/01/11
Mon. 22:08

三連休の最終日、10数年ぶりに埼玉県東松山市の丸木美術館へ行って来た。

1月16日まで丸木美術館内で開催されている「今日の反核反戦展」において、他でもない阿佐ヶ谷あるぽらんのマスターにして版画家であるSaSaさんの、これまでで最大サイズの新作が展示されており、あの壮大な原爆の図や南京大虐殺の図などの超ド級の作品群の在る美術館でSaSaさんの作品が並ぶという図はぜひとも観ておきたいと思ったのだ。

本当はぜひ子どもたちを連れて行きたかったが、長女は部活があり次女と長男は美術館が遠いことに実につれない反応。「原爆の図は観ておいた方が良い」という説得で幼稚園児と小学生の触手が動くはずもなく、母ちゃんから「父ちゃん一人でのんびり行って来れば」と言って送り出され、それでも早めに帰宅したかったので、朝8時25分の南武線に稲田堤駅から乗り、いざ東武東上線森林公園駅を目指す。

それにしてもなかなか遠い。森林公園駅に着いた時にはすでに10時になっており、割引券も兼ねた美術館ガイドによればここから美術館までは50分歩く。バスもあるにはあるが(日曜祝日運休多し)、本数少なく早い時間が無いので当初の腹づもり通りてくてく美術館のある都幾川方面目指して独り歩き出す。急にやって来た冬将軍のせいか、風が冷たくてたまらない。何だか歩けど歩けど続くだだっ広い工業団地の道が気持ちを萎えさせる。と、254号線に出て右折したところにオアシスの如く回るやじろべえが見えた。そう、埼玉が、日本が誇るファストフード店山田うどんである。隣に吉野家もあるがそんな肉には目もくれず暖取りも兼ねて大好きなたぬきうどんを食して生き返った。マクドナルドやバーガーキングなど無くして全部山田うどんにしてしまえば良いのに…と、アタシは誠心誠意心から願う。

これまで2度訪れたことがある丸木美術館は、いずれもまだ子どもが産まれる前に母ちゃんと二人で来た。最初はやはり行きも帰りも森林公園駅から歩き、2度目は車で。何となく覚えている景色を認めながら10時45分に無事丸木美術館に到着。

久しぶりに観た原爆の図はやはり圧倒的で、絵からはみ出す苦悶や情念、怒りは今もって全く色あせないと思った。時代がどう変わっても、人の世がいまだに核の殺人兵器に頼り、出来もしない平和利用を詭弁する限りこの絵の発信力が衰えることはない。
他に、前観た時もそうだったが南京大虐殺の図は今回もぼくに強い印象を与えた。ちょうど辺見庸氏渾身の著作である「1★9★3★7(イクミナ)」を読んでいることもあって、中国人の首を刀で切り落とす日本兵は「オマエダッタラヤラナカッタカ?」と観ているぼくに問うているようだった。加害の事実を見つめる事、加害の事実を作品にすること。これは今年のぼくの一つのテーマである。

1階の真ん中の展示室で「今日の反核反戦展」はやっており、入口から向かって奥の壁面にSaSaさん力作の大きな版画が展示されていた。版画はそれだけではなく「明日へのヤッホー⑥」というタイトルでこれまでの馴染みある作品もあった。ソウブラのCDジャケットとなった版画や竹内浩三、個人的に大好きな大晦日の新宿中央公園ライブの様子を描いた作品も。
今回のために彫った大きな作品は、多くの声を上げる人たち(猫たち)を乗せた機関車が走り抜けて行くという勢いのある版画で、背後にある国会議事堂から暗黒な魔人のようなものが背後を脅かしているが、人々(猫たち)を乗せた機関車は歌いながらそれを吹っ切るかのように突き進んで行く。ぼくは思わず「ピース・トレイン」や「バウンド・フォー・グローリー」という言葉を連想した。

自身の作品解説でSaSaさんは、自分の作品のテーマはあくまで日常であると言う。しかし、近年は社会状況を反映した作品も増えて来た。けれどそれはこちらからそっちへ寄って行ったわけではなく、向こうがこっちの日常に入り込んで来たからだと言い、それは自分だけでなくみんなに共通していることだとも。ぼくも勝手にSaSaさんと同じスタンスで歌を書き歌っていると思っている。

美術館を出る前に丸木位里さん俊さん夫妻のアトリエに上がり蔵書を見ていたら、中村正義の絵画展の図録が1980年代の頃から揃っていて何だかうれしかった。

美術館近くの蕎麦屋で今度はたぬきそばを食し、またてくてくと森林公園駅を目指して歩く。
休日に珍しく早起きしたので東上線車内で大爆睡。何とか乗り換え時に起きて帰宅したのは午後3時過ぎであった。そしてまた夕方まで寝てしまった。

今宵のBGMは、今年4月にやって来るボブ・ディランの97年発表の「タイム・アウト・オブ・マインド」。発売当初はちょっと渋すぎるな~と思ったがこちらも歳を取ったせいか、ものすごい沁みて来る。北風に吹かれながらCDウォークマンで美術館の行き帰りもずっと聴いていた。すべて抑え目に弾いている楽器の音が何とも心地よく、音の隙間から演奏しているミュージシャンがまるで見えるよう。ちょっと値段が高過ぎると思うが、やはり来日ライブは行かねばなるまい。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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この記事に対するコメント

いやはや丸木美術館訪問、お疲れ様でした。
やはり山田うどんには、寄らざるをえないですよね。
私はライオン丸とsasa氏と、ひと月前に山田うどん、
いや丸木美術館に訪問しました。モツ煮のうまかったこと。

南京の大壁画は圧巻ですよね。
それを描くに至った経緯もまた興味深かったです。

それではまた!

あるぽサトー #- | URL | 2016/01/12 23:49 * edit *

あるぽサトー君、さてはモツ煮をアテに山田で一杯やったな~!?
あぁ、アタシもご一緒したかった~。
ちなみにあるぽのイジラレキャラでお馴染みU君は、タクシーで美術館往復して山田し損ねたらしい(笑)。
圧巻の丸木美術館にSaSaさんの版画、良かったね~。
2月からガンガンライブやりますので、ぜひよろしく!

五十嵐正史 #- | URL | 2016/01/14 22:05 * edit *

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