周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ596 

2015/08/19
Wed. 20:32

実質6日間だった夏休みの最終日、休み前に注文していた本「小林察著 骨のうたう“芸術の子”竹内浩三」が藤原書店から届いた。

昨夜は次回ライブが9月19日(土)に決まった吉祥寺のろで、ギター森田君と梅ちゃんと打ち合わせがてら呑んだのだが、その時も誰彼ともなく竹内浩三の話題になった。
そう、戦後70年の様々な特集がテレビやラジオ、新聞で組まれたが、ぼくらはそこに必ず竹内浩三を見ようとしてしまう。

彼はそんな風にして、ぼくらの中にとてもはっきりと存在し、会ったことも無い彼を慕わせる。
また、彼の詩を読みそれを曲にのせて歌った詩を聴いた人に、その人にとって繋がりがあるけれど会ったことのない、竹内と同じあの戦争で死んだ誰かを思わせる。「あの人もきっとこんな風であったに違いないと思った」という感想を、ぼくはもう何人もから聞いた。
竹内浩三の詩は、そんな風に戦争そのものを定義するための価値や思想を提示するのではなく、そこに確かに生き殺されてしまった一人の姿を、彼の言葉に触れた者達の眼に映す詩だとつくづく思う。

31年前に初の竹内浩三全集を編み、その後もずっと竹内浩三の作品を発掘しては世に出し続けている小林氏の書いた新著は、実に野心作であり、素晴らしい内容であると前半を読んだだけでも感じた。
というのも、この本で小林氏は竹内浩三とはこういう者であったと竹内浩三の定義に挑んでいるのである。
戦後、まず竹内は反戦詩人として世に紹介されたが、次第に彼の作品の数々が世に出る中で、生前何ら政治運動に加わったことも左翼政党にも関わりが無かったことから、彼はそんなレッテル貼りの出来ない実に天真爛漫に詩を書いた人間として、とにかく竹内浩三の全貌を世に出す作業が続いて来たと思う。そしてそれを担った第一人者が小林氏であった。

しかし、今回の著書で小林氏は竹内を“闘い抜いた者”として書き、その竹内の闘い方こそが、この安倍政権下の戦争法案強行時の現代に必要だと訴えているように感じる。そしてそれは、ぼくが特定秘密保護法強行採決後に竹内のCD制作を思い立ち、今こそ竹内浩三のような個の在り方が何よりの抵抗になると直感した感覚に通底しているように勝手に感じた。
反戦詩人等の反権力のイメージを変に嫌って(もしくは意図的に避けて)竹内の作品を読むのではなく、あえて真の抵抗の詩人としての再定義を大胆に試みているような興奮を、読み出した瞬間から覚えているのである。

抵抗とは何らかの側に身を置くことを必ずしも意味しない。それは時に一人きりになるかもしれない個人の闘いをも意味する。集団に身を置きシュプレヒコールを上げている時にも、それに一体化することのみになるのではなく、個人を自分の感性で捉えることを捨てない事、そう、竹内をぼくは感性の闘士であったと思う。それこそ弾が俺を殺しに来るその刹那まで己の感性で物事を見、捉え、書くことを止めなかった者だったと思う。

戦後70年の安倍晋三の談話に対する様々な検証がなされているが、竹内浩三だったらきっと実に面白おかしくコケにしてくれたと思う。実際真面目に聞き受け止める価値の1ミリもない談話だと、東京新聞で全文を読んでぼくは思った。
あれ、全マスコミで一斉に無視して1行も報じなかったら面白かったんじゃなかろうか?論評するだけバカらしい、ニュースにするだけ民度の低さを物語るような気がしてぼくはならなかった。

金沢八景の義父宅と、実家のある千葉県の旧関宿町にも帰り、例年より多く出かけて過ごした(と言っても勝手知ったる場所ばかりだが)充実の夏休みであった。頭の中には先日作った竹内のことを歌った新曲のメロディーが流れ続けていた。

今宵のBGMは、J-WAVEのラジオ番組「ジャム・ザ・ワールド」。
BG酒は生協仕様の金麦でした。ではまた、ロケンロール!



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この記事に対するコメント

竹内には至りませぬが…一句投じませう(^^ゞ
安倍晋三国民無視し支持もあき
お粗末さま!!

あねご #- | URL | 2015/08/21 23:31 * edit *

あねご様
風刺の効いた句をありがとうです。
床に臥せっておりましたがボチボチ復活します。

五十嵐正史 #- | URL | 2015/08/24 22:03 * edit *

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