周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ595 

2015/08/15
Sat. 23:09

70年目の、日本が仕掛け償いきれない犠牲を自国他国に強いた挙句に自滅した侵略戦争敗戦の日。

今年はこの日に、明治大学生田キャンパス内にある登戸研究所資料館に行くことにした。
これまでは長女だけが同行していたが、今年は小学4年になる次女が「私も行きたい」と加わった。戦争の資料館とは言え、いわゆる市民もかり出され利用された秘密戦の為の展示資料館だから内容が難しくて分からないと思うが、何か彼女の感性で感じてくれたらそれだけで十分だと父はうれしかった。

いつものように団地から歩いて小田急線の生田駅まで下り、線路の反対側に出て今度は明治大学目指して上る正味30分程度のコース。さすがに猛暑の昼下がりは暑く、陸上部現役の長女にぼくと次女は大差をつけられて引き離されてしまう。

入館した時に、まず知人に頼まれた9月20日(日)に日比谷公会堂で開催される「あの戦場体験を語り継ぐ集い」のチラシを置いてもらえるか頼んでみると、スタッフの方が実に快く引き受けて下さり、早速入口のチラシ置き場に入れてくれてちょっと感激。
そして、今回の第6回企画展“NOBORITO1945”-登戸研究所70年前の真実-第一期展示をじっくりと観る。
いつものことだけれど、ぼくは独りで展示に見入って子どものことは全く放置。なにか尋ねて来たら答えるのみ。子どもはまず子どもの感性で自由に観ればよろし。

陸軍登戸研究所の担っていた秘密戦とは、歴史に記録されない戦争の裏側史であり、それは戦時に限らず平時において秘かに進められ行われるもので、防諜、諜報、謀略、宣伝(戦時プロパガンダ)から成る。
だからこそ市民の日常に入り込み、暮らしそのものを戦争に組み込んでしまう恐ろしさがある。だからこそ、それを知り学ぶことが出来るここは貴重な施設なのだ。

毎回ここに来て感じ、今回の企画展を観てもあらためて感じたのが、日本がアメリカ相手にやろうとしていた本土決戦の準備の本気度と、常軌を完全に逸している殲滅戦の青写真だ。
約半年近く1万発近くもアメリカに向けて飛ばした風船爆弾(登戸研究所で開発)がさしたる戦果も上げずに、いよいよ皇居や政府中枢、日本放送局(NHK)等を長野の松代の地下壕に移すための準備に、大勢の朝鮮の人たちを強制労働させ、その完成までの時間稼ぎに沖縄を捨て石にした。そしてその沖縄戦には、来る本土決戦時の諜報戦を試験的に導入するべく、登戸研究所の研究成果を陸軍中野学校で習得した軍人が送り込まれたという。

そして敗戦まで、先に長野に移された登戸研究所所員は、現地の子どもたちまで徴用して来る決戦に備えるべく兵器製造に従事させた。
長野で開発していた細菌兵器は、上陸して来たアメリカ兵だけでなく地元住民をも殺戮し、ろ過装置で安全な水等を蓄えた地下壕の天皇と政府中枢、NHK等だけが生き残るというもので、当時彼らの描いていたおぞましい青写真はかなり具体的だったのだ。それが国家の正体であり、国家の仕掛けた戦争の正体なのだ。竹内浩三が見事その詩心で見抜き喝破した“戦こそ悪の豪華版”の通りだったのだ。

しかし、敗戦と同時に所員は片っ端から証拠隠滅を謀り、それでも残った証拠類(建物含めて)が現在登戸研究所資料館に展示され、今なお研究と調査が続けられている。ここの企画展とはすなわち、その研究と調査の経過報告に他ならない。しかし、だからこそ真実を突き詰める丁寧な調査から提示される事実、記録に毎回国家というもののクソッタレさと、民衆のある種哀れさにどこまでもただただ考えさせられてしまうのだ。
ここの資料館の良さはまさにそこに尽きると思う。情緒に訴えるでも押し付けがましくも無い。ただ冷徹に、国家がどのように仕掛けて市民を証拠隠滅の秘密戦に利用して行ったのかを追究し、現代をの今また新たな戦前戦中を生きる我々に静かに提示し教えてくれるのだ。
それこそが近道でも遠回りでもない、次の戦争を止めるために必要なことだという確信が、平和を求める遺志と意志がここには在る。

昨年と比べて倍の数だという、来館者の絶えない8月15日の資料館を後にして、五反田神社下にある川沿いのコンビニでガリガリ君を3人で食べた。アイスをかじりながら古い神社脇の石段を見上げ、きっとこの石段をあの時代に研究所で働く者達も上り下りしたに違いないと思った。次女に感想を聞いたら「面白かったよ」とのことだった。それ以上は聞かなかった。

今宵のBGMはボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのラストライブ2枚組CD「ライブ・フォーエバー」。
ボブの病を思わせない確信に満ちた声とメッセージに何べんも力をもらう夏の夜。そしてこのバンドの唯一無比のグルーヴ、理想です。
BG酒はブラックニッカハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
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この記事に対するコメント

久しぶりのコメントです。オキナワでは県と政府が休戦状態に入りました。アベは戦争法案や原発再稼働で支持率低下を意識して、この時期に話し合いをもったというアリバイ作りに躍起です。元々この時期は台風で工事は進まないのは皆が分かっているのですが…。姑息な手段です。先日ナカダニが話し合いに来たふりをして、地元首長とも懇談して、島の分断を図っています。停止期間が開けるとこれまで以上の暴力を背景に強行して来ることでしょう。私たちはこの間に新たな闘いを構築して、相手が喜ぶ分断に乗せられないようにしたいものです。私もある程度の覚悟を決めて、徹底した非暴力の抵抗を強化していくつもりです。みんなも自分の場所で自分の意志を貫いて下さい。「もうひとつの世界」は誰にも侵されない自分の中にあると信じています。みんなの唄を聴きながら、唄いながら私の現場で「私の反逆」を貫いて行きます。思い思いの個人の連帯で軍事オタクのボンボン達を引きずりおろしましょう。
因みに、こんな時はソウブラのバラッドが何故か聴くことが多いです。不思議だね(笑)!遠くにいても…一緒に何かしかけまてみよう!勿論自分のスタイルで。
また連絡します

くわえ #- | URL | 2015/08/17 23:34 * edit *

くわえさんありがとうございます!
アベ政権の支持率低下、新国立競技場白紙撤回ごときの茶番で、40%台に再浮上してしまうこの国の民度のお粗末さに恥ずかしくなります。
敗戦直後、本土と沖縄の米軍基地の面積比率が9対1であったのが、本土側から要求し沖縄にどんどん押し付け移設させていった事実。
前知事との約束などより何百倍も重い押し付けた事実から始めることを、本土の側から要求しなければいけないと思うのですが…。
自分もライブの中で、表現を通して試行錯誤しながら伝えて行きます。
ソウブラの歌が共に在ることがうれしいです。
自分の感性を守りつつ、魂は共に!

五十嵐正史 #- | URL | 2015/08/19 20:56 * edit *

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