周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ581 

2015/06/26
Fri. 23:52

沖縄の慰霊の日の前後、東京新聞では連日沖縄戦に関する特集を組んだ。その中の平和の礎に名前が刻まれた親族を慰霊しに摩文仁の丘を訪れた人たちの取材記事を読んでいたら、先月の関西ライブの時に聞いたSさんの話を思い出した。

毎年ステキな和服でソウブラと鼻炎トリオのライブを観に来て下さるSさんは、今年ライブでぼくが竹内浩三の詩を歌っている時に客席で涙を流しながら聴いていた。
終演後CDを購入してくれたSさんから、最近Sさんの親戚の方が沖縄戦で戦死して平和の礎に名前が刻まれていることが分かり、Sさんは一度も会うことも無く戦死したその親戚の慰霊の為に摩文仁の丘を訪れたことと、ぼくの歌う竹内の詩(この時は「骨のうたう」と「三ツ星さん」を歌った)を聴いていたら、フィリピンでひょんと戦死してしまった彼と自分の戦死した親戚が重なり涙が止まらなかったという話を聞いたのだ。

その話を聞いて、あらためて竹内の詩を歌って良かったと思うと同時に、何とも不思議な気持ちになった。
ぼく自身竹内が実際どんな最期を遂げたのかはまったく分からない。もちろん会ったこともないから本当はどういう人間だったのかも分からない。おもしろい奴だった。吃音があった。音楽、煙草にコーヒー映画、それに酒もそれなりに好きだったらしい。なにより女によく惚れてよくフラれる浪費癖のボンボンであったということも、すべて伝聞でしかない。

けれども彼の詩は、そんな彼の存在をぼくの眼前にありありと出現させるばかりか、その詩は彼とは別のあの悲惨極まりない戦争で亡くなった多くの命を重ねさせるのだ。
そんな風に彼の詩に接する人は、決してあの戦争を賛美することはないだろうし、どこまでも命を奪う悪の豪華版として戦争を憎むと思う。

そして、彼の詩を歌うようになって最近感じるようになったのは、戦前戦中を知る人が良く言う「この頃はあの時代に似て来た」という危機感だ。
もちろん、ぼくは実際に戦争直前の日本を生きていないので本当の所は分からないのだが、そういう戦前戦中を知る人が言われる危機感ではなかなか伝わらなかった実感が、特に竹内の出征直前に書かれた詩を歌っているうちに、まざまざと「あぁ、現在と同じじゃないか」と感じるようになって来たのだ。

竹内はそれこそ万歳三唱で送られて故郷から出征する直前まで、東京の喫茶店で煙草をふかしながら、近づく自分自身を殺される「軍隊」と「戦死」とに怯えながら、何かしなければと思いながらもなすすべもなく長椅子に寝転がって曇り空を見ていた(「曇り空」)。あの不自由極まりない時代でも、彼の書いた詩の通りならば喫茶店でコーヒー飲みながら(コーヒーがあったかどうか定かでないが)行儀悪くも長椅子に寝転がってぼんやりする自由があったのだ。けれど、そのすぐ隣には非人間的な軍隊があり、連れて行かれる戦場があった。これはまさに現在でもあり、安保法制後の現実そのものではないかと思うのだ。

あのとんでもないクソ映画「永遠の0」の原作を書いた作家が、沖縄の新聞2紙「沖縄タイムス」と「琉球新報」を“つぶさなあかん”と放言出来る現在は、竹内が兵舎の便所でこっそり書いていた筑波日記の昭和19年6月17日付の言葉「1分間もしていたくない生活」という大日本帝国軍隊の現実と地続きだ。だから、ぼくらが生活の中で何を拒否し何と闘うべきかは明らかだ。竹内の詩がはっきりと教えてくれる。クソ戦争映画は何も教えてはくれない。ただ騙し洗脳するだけだ。つくづくあの映画に出演した俳優たちも主題歌を歌ったサザン・オールスターズも愚かな仕事をしたものだと思う。百田尚樹同様許されない。

今宵のBGMは、エリオット・マーフィーの1975年のアルバム「ロスト・ジェネレーション」。
なんとエリオット・マーフィーが、8月に24年ぶりに来日ライブをするという(東京2か所のみ)。ザ・ウォーターボーイズといい、ジョン・ハイアットといい、今年は大好きなミュージシャンが来日し過ぎる。嗚呼CD売って金を作るか…。

BG酒はホワイトハイボールでした。さぁ、明日は大好きなのろでソウブラ3人バージョンライブです。梅雨のジメジメを吹き飛ばす爽やかな?熱いライブしますので、ぜひぜひお運び下さい!ではまた、ロケンロール!

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