周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ533 

2015/01/12
Mon. 21:11

この3連休は、特に周到な準備や計画があったわけでもないのに、実に充実見聞を深めた連休であった。

昨日(11日)は、夕方24日の「STOP!教育の反貧困2015」イベントの打ち合わせに参加すべく千駄木に向かったのだが、1時間以上早めに団地を出て、以前から一度行きたかった団子坂途中にある森鴎外記念館に寄った。
ぼくはそれほど熱心な鴎外読者ではないけれど、作品以上に森鴎外の人生そのものに前から興味があって一度ちゃんと辿ってみたかった。
森鴎外を一言で言えば、個人の自由と社会的存在であるところの自身の公的役割との格闘を一生涯続け、それから逃げなかった(逃げられなかった)人となるだろう。そこにぼくは強く興味を持ち、現代にも通じる人間存在の避けられない苦悩を見る。

わずか300円で入館出来る記念館は、予想以上に見応えがあり(2012年に開館したばかり)、あらためて彼が居なければおそらく明治以降の日本の近代文学は成り立たなかっただろうと再認識した。
鴎外は薄幸の境遇で小説を書いていた樋口一葉を見い出し世に知らしめたし、そのジャンルに囚われない文体の挑戦は、漱石に引き継がれたろうし、ぼく個人としては、大好きな石川啄木がどれだけ鴎外を敬し彼に礼を持ちながら甘えていたかが、展示されていた啄木から鴎外への書簡に読み取れて感動した。鴎外は実に面倒見の良い明治文豪たちのアニキであった。

そして、軍医として大日本帝国の権力中枢に取り込まれながら、表立った反旗は翻さずひたすら自身の文学の中にのみ自由を体現し続けた鴎外であったが、いまわの際で口述させた遺言に、国家権力から付けられたあらゆる称号を怒りをにじませつつ拒否し、墓石には本名の「森林太郎」のみを刻ませるよう書かせた事実に、彼の人としての譲らなかった矜持を見る思いがした。はなはだ半端で遅きに失した抵抗ではあると思うが、死ぬまで彼が抱え続けたものを考えると息苦しくなると同時に、社会のあらゆるシステムに組み込まれて生きている現代人に示唆を与えてくれる気がやはりする。
映像コーナーで、若手作家の平野啓一郎氏が語っていた「3.11以降を生きる我々にとって、鴎外を読むことが慰めを与えてくれる」という言葉が強く印象に残った。ぜひ、再訪したい場所である。なにより千駄木の街の雰囲気が、歴史の途切れぬ流れを感じさせて好きだ。

今日(12日)は家族みんなで我が多摩区のオアシスである生田緑地に出かけ、まず子どもたちも大好きな日本民家園に入って、ここが川崎市と思えない日本の古き田舎の空気と生活感を堪能した。
見事に完全移築された古民家には、ボランティアが囲炉裏に火を入れて自由にあたることが出来、昔の暮らしぶりについて話も聞ける。囲炉裏の墨が鍋釜を洗う洗剤に、髪を洗うシャンプーにもなったこと等を子どもらは熱心に聞いていた。実は、次女は2月に学校の校外学習でまたここに来ることになっている。
入園料が大人しかかからないので(500円)、奮発して民家園内の古民家がそのまま蕎麦屋になっているところで久々に外食をした。ここの蕎麦は汁共にかなり美味い。おススメである。

民家園を出て、同じ緑地内にあるかわさき宙(そら)と緑の科学館に入り(ここはプラネタリウム以外入館無料)、川崎の自然についての様々に趣向を凝らした資料展示を見る。実物大の動植物の模型はく製がたくさん置かれ、多摩区の雑木林の植生と成り立ち、現状とこれからまでもリアルに紹介されていて、実に楽しくためになる学習空間だ。
塾通いさせてテスト勉強するよりも、ぼくは親として断固実際の森やこういう場所に子どもを連れて来て学ばせることに意義を感じる。
生田緑地の生態系ガイドブックを購入して読み出したが、これが本当に面白い。特に森の生命の豊かさと自然な変化についての解説は、驚嘆を禁じ得ない。森はまさに宇宙である。

子どもたちが何より一日楽しそうにしていたのが、うれしいことであった。しつこく言うけれど、USJやTDLではこんな豊かな気持ちにゃなれやしない。ハリボテ見せられて一時だけの現実逃避をしてケツの毛までむしられてスッテンテンにされてお終いだ。考えただけでも悪寒を伴う虚しさである。

今宵のBGMはザ・クラッシュの1979年ライブの海賊盤CD。ロンドン・コーリング発表後の様々な曲調に挑み出した頃のライブで、個人的にとっても好きなライブ盤。レゲエも中途半端でR&B的なアプローチもパンク的で稚拙な感じがするが、意欲と音楽に対するひたむきさがビンビン伝わって来て感動する。彼らがパンクで生き残った証が刻まれた逸品。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!




スポンサーサイト

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://soulbrothers.blog137.fc2.com/tb.php/808-a44bfadd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-04