周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

時々いつも以上に大きな達成感と、燃え尽きを感じるライブがある。
昨夜のあるぽらんでのCD発売記念ワンマンライブは、特別にそれを感じさせたライブだった。

実は、1週間くらい前から言い様の無いプレッシャーに苛まれていた。竹内浩三の作品に惚れこみ、あるぽらんを始め仲間に協力してもらい、大満足のCDは出来たが果たしてその中身の良さを伝えられるライブが出来るだろうか?
あるぽらんという慣れ親しんだ場所ではあるけれど、パフォーマンスの殿堂でちゃんと竹内浩三をお客さんに伝えながら楽しんでもらえるライブが果たして出来るのだろうか?そんないつにない自問と不安がジワジワとライブの日と共に迫って来るようだった。

そのために毎日毎日、ぼくはこの日のライブの組み立てを考え続けた。あるぽらんの佐々木さんに相談しようかとも思ったが、一人で考えて決めてパフォーマンスに関しては任せてもらおうと思った。そう思ったらなおさらプレッシャーにもなるのだが、これは自分と竹内浩三とのある種勝負と言うか、自分がどれだけ本気で竹内浩三を歌おうとしているのかを自らに試している気分であった。

最初はしっかり台本のようなものを書いて、竹内浩三の誕生から戦死までを語りながら歌を挟もうかと考えたが(CDの曲全曲歌うだけではライブは1時間もかからず終わってしまう)、それではあまりにカチッとし過ぎて、いつものぼくらの自由で自然発生的なライブ感が生まれない。しかし、歌の合間に竹内浩三の人となりと詩の背景は伝えたい。

で、結局落ち着いたのは、いつもその日のライブに行く道中である程度考えるMCを、数日前から考えて頭の中で練習することだった。頭の中で練習するだけなので、当然ステージに上がれば忘れたり逆にその場で思いつく話もある。それが自然で良いだろうし、何よりいつものやり方の延長上だから楽だが、そうしたらそうしたで「それでちゃんと当日竹内浩三のことを伝えられるのか?」という不安が生まれて来る。全く難儀なこっちゃ。

そん時に届いた今回のCD紙ジャケットの束と、その組立て作業は気を紛らわすのにはうってつけだった。
少なくともこの作業に集中していれば確実にライブの準備が進んでいるわけなので気持ちが楽になった。森歩きもそうだが、頭の中だけであれこれ考えるだけでなく身体を動かすのは実に人間にとって有用である。

そうして迎えた昨夜のライブ、おおはしさんが本当に苦心して見事に仕上げてくれた歌詞カード(彼女の手書き!を印刷した実にぬくもりあふれる歌詞カードです!)が封入された出来立てホヤホヤのCDが予告通りお客さんに配ることが出来、なんとあるぽらんは32名の立ち見も出る満員御礼!

その様子を楽屋から観てドーンとさらにプレッシャーを感じる。世界初の試みである竹内浩三作品集を手に、竹内浩三に興味を持った人たちがあるぽらんの客席を埋め尽くしている。さぁ、このお客さんたちを前にお前はCDまで作ってしまった竹内浩三をちゃんと伝えなければならない。どうする?というプレッシャーが開演直前に襲う。
大げさに書いているように思うかもしれないが、これがまさに偽らざるライブ直前のぼくの心理状態であった。

けれど、最近つくづく思うのだが、ライブ前の緊張感は若い頃も今もさほど変わらないのだが、ステージに上がった瞬間にビビりながらも自分の居場所を実感し気持ちが不思議と定まる感覚は、歳とってようやく身に着いた気がしている。
うだうだ心配していたことも一たびステージに上がればやるっきゃない。あせろうが膝ががくがくしようがやるっきゃない。それも自分の持ってるものだけでやるっきゃない。

マイクの前に立ってまずは軽口から始め、「CDも渡せたので歌わずにこのままお祝いの飲み会にしたい」なんてあながち冗談でもないことを言って笑ってもらうと、あぁこれが俺のやり方だと安心して行く。
すると、すらすらもう自分の中にしっかり棲みついている竹内浩三の事を語ることが出来た。そしてそれを歌に繋げて何となく自然とトーク&ライブのような感じで進み出した。

ソウブラメンバーはもちろん、スライドギターで「放尿」を爆裂させたタキさん、リハより数段良かった「三ツ星さん」での前ちゃんのティンホイッスルのゲスト陣も大熱演してくれた。ほとんどの曲がCD収録とは違うバージョンでの演奏で、これまた我ながら勝手にディラン的だと悦に入った。
それでも、いつものライブとは違って最後まで緊張感は持続していた。熱くはなってもどこか気を配りながらライブしていた。決して神経質になっていたわけではない。滅多に味わえない特別なライブの瞬間瞬間を楽しみながら大事にライブした。

二部構成で竹内浩三の詩を歌い切り、そのままアンコールに応えてソウブラの曲を2曲歌った。1曲目は、1週間前にスタジオで4人のメンバーで試しに軽く合わせてみるまでやるつもりは全くなかった新曲「ワン・ギター」であった。けれど、この夜この位置にこの歌以外はあり得なかった。2曲目に「暮らしという名のラブソング」を終えてステージを降りようとしたら、佐々木さんから「五十嵐君、まだ時間あるからもう1曲!」と言われて(うれしかったー)さらにもう1曲「ぼくらが創った夜に」を歌った。

終わってみれば、カチカチっとしてたわけでもないが、この夜のライブはアンコール含めて我ながら完璧な選曲であった。
終演後何人かのお客さん、初めてじっくりぼくのライブを観てくれたバイオリン弾き語りのみほこん、久しぶりにゆっくり話せたH君、あるぽの常連仲間、そして勇造さんのライブの時と同じように京都から駆けつけてくれたS夫妻から良いライブだったと声かけてもらえて心底うれしく、ホッとした。何より竹内浩三の存在がまさにぼくが思っている竹内浩三そのままにお客さんたちに伝わり、この23歳で戦場で殺された男の遺した素晴らしい詩を楽しんでもらえたのが本当にうれしかった。その抵抗の在り方の大切さも含めて。自分の書いた歌を褒められるよりも不思議とうれしかった。ライブ後は格別な美酒であった。

今朝ゆっくり起きたら、我らがGM佐々木さん(このレコ発特別ライブの首謀者)から「中身の濃い良いあるぽ的なライブに仕上がった」とメールが入っていて、何とも言えない充実感、達成感、やった感に包まれた。昼間からご褒美山崎蒸留所ハイボールを、江上さんからみやげにもらった蒸留所限定おつまみをいただきながら飲んだ。これが自分の今出来るあらん限りのパフォーマンス。それをこれからもひたぶるにやって行こう。

阿佐ヶ谷あるぽらんレコ発特別ライブセットリスト
一部
①東京 五十嵐ソロ
②しかられて 五十嵐&森田&梅田※
③手紙 五十嵐&森田&梅田
④放尿 五十嵐&森田&瀧さん※
⑤三ツ星さん ソウブラ&前田悠平※
⑥ヒノクルマ 五十嵐ソロ
⑦あきらめろと云うが(ブルーズバージョン) ソウブラ
二部
⑧なんのために 五十嵐茜(CD出演)
⑨あきらめろと云うが(フォークバージョン) ソウブラ※
⑩日本が見えない ソウブラ 
⑪鈍走歌 五十嵐&山村 (お囃子)森田&浅田&梅田※
⑫骨のうたう 五十嵐&森田&梅田※
⑬望郷 五十嵐&森田&梅田&山村
⑭ひたぶるにただ ソウブラ※
アンコール(三部)
⑮ワン・ギター ソウブラ※
⑯暮らしという名のラブソング※
⑰ぼくらが創った夜に       
※の曲はギャラリーサイトで動画が観られます!

ニューアルバム、「ひたぶるにただ 五十嵐正史 竹内浩三を歌う」1,800円にて一般販売開始します。
25日ののろライブでは、発売記念キャンペーンで1,500円にて販売。
基本的にライブ会場、もしくは阿佐ヶ谷あるぽらんのみでの販売ですが、五十嵐にメール等で直接申し込めます。
郵送の場合も送料込で1,800円です(CDに同封した郵便振込用紙にてお支払下さい)。
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