周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ496 

2014/09/20
Sat. 22:20

昨日(19日)は、午後から厚生労働省に行き、障害者自立支援法違憲訴訟団と国(厚生労働省)第6回定期協議を傍聴した。

知己のきょうされん役員から傍聴依頼を受け、急きょであはあったがぜひにもと参加した。この定期協議に参加するのは2年ぶり?くらいでその時以来の2度目である。
現在障害者福祉に従事して飯を喰っている人間の中で、この自立支援法違憲訴訟団と国との定期協議のことを知っている者は果たしてどれくらい居るだろうか?ぼくの実感では、はなはだ残念ではあるがほとんどの福祉従事者は知らないだろうし、ひょっとすると、2010年1月に国との実質勝利の和解を勝ち取った障害者自立支援法違憲訴訟自体を知らずに、福祉の現場で現在働いている人も多いのではないだろうかと思う。ぼくはそのことを嘆き、この4年間の世の流れの冷たさと残酷さを思わずにはいられない。そしてそれが現実、この国の現実だ。

小泉内閣の聖域なき構造改革の中で、突如出て来た障害者自立支援法(その立案者の中心人物は村木厚子)により、日本の障害者福祉は障害者が「生きることを」を保障するものではなく、「生きるためのサービス」を買うことを強いる制度に根本から覆された。福祉施設はアジールではなくなり、企業化され競争と成果主義の中に放り込まれ、どこか世間とずれていて銭勘定に疎い者が多かった福祉従事者は、無駄を省きマニュアル化された下手なサービス業従事者じみた人材が増えて行き、それを統括する者はかつてのホリエモンのような人間が跋扈し出し「福祉で効率良く一儲け」を説いて回り、疲弊を自称する市区町村に優遇されて役付として自立支援協議会などに迎えられるようになった。

そんな恥知らずの趨勢のまるで片隅で、その法の根幹が憲法に反していると廃止を勝ち取ったはずの訴訟団が、今もなお「和解が何一つ実現されていないではないか!」と異議申し立てを続け、国(厚労省)側は4年前の和解文書に書いてしまったために嫌々訴訟団と和解文書実現の進捗状況を確認するための定期協議をずっと続けているのだ。

一度は嘘泣きまでしてみせて訴訟原告団に頭を下げてわびた民主党政権が、厚労省官僚の巻き返しで変節し、その変節は自民党への政権交代で腐って固着し、厚労官僚はいよいよ外道の奈落へと自ら勇んで落ちている。

それをまたもまざまざと見せられた定期協議であった。

もはや、訴訟団(原告、弁護団で構成)がどれだけ合意文書が守られていないと訴えても、国側は「合意は勝ち取ったけれど、お前ら今やしょせん少数派でしょ。もう力無いっしょ」という姿勢丸出しで、この日訴訟団が訴えた具体的事例をすべて斥けた。
答弁のほとんどは、女性の企画課長がしていたが(そう言えば、かつて村木厚子もこの役職であったはずだ)、この企画課長は徹頭徹尾訴訟団の質問にまったく答えなかった。例えば、合意文書で交わされ明記された、今後の施策立案にあたっては十分な実態調査をするという点について、現在65歳以上になった障害者が、法の介護保険優先規定によりこれまで受けていた障害福祉支援が受けられなくなっているNHKも報じた問題を(65歳問題)、厚労省は独自秘密裏に実態調査をして現在結果集計中であるという事後報告をいきなりし出し、訴訟団が「合意文書違反じゃないか!どんな実態調査をしたのか、調査用紙を提示しろ!」という要求したのに対し、女性企画課長は「現在集計中であります」というだけの、あまりに露骨なふざけた答弁を延々10数回も繰り返したのだ。

おそらく200人近くが詰めかけているであろう傍聴席からはヤジが飛ぶ。失笑が漏れる。しかし、企画課長は息を乱すことなく、逆になぜ野次られるのか理解出来ないと言った風に、淡々と質問の答えになっていない答弁を繰り返すのみ。
彼女は分かっている。分かっていてわざと意味不明な答弁をしている。企画課長まで登りつめた人間がこんな簡単な「調査用紙を開示しろ」という内容の言語を理解出来ないわけがない。
ぼくは何だか涙が出そうになった。それは企画課長に対する怒りとか悔しさというより、こんな答弁を何べんも聞かされている、かつて法において勝利したはずの訴訟原告団の面々の心中を思ったからだ。

訴訟団側は主に弁護士が発言しているが、原告の多くが障害当事者であり言語に障害を持っている方も多い。企画課長のあまりに人をバカにした発言の繰り返しの中で、時折原告席から言葉にならないうめき声が聞こえて来る。そのやり切れない声がどんな言葉よりも哀しみの塊となってぼくの胸に突き刺さって来たのだ。

弁護士が露わにする怒りは、ある意味国側の理不尽さを強調するための計算づくのパフォーマンスもあると思う。それを否定しないし、同じ土俵で戦うにはしたたかでなければならない。しかし、ぼくにはその土俵自体の哀しみが、土俵自体の犯罪性が許せない。
結局90分まるまる平行線の、何一つ法的に交わした合意文書に沿った改善を国が約束しないまま定期協議は終わった。
それでも合意文書に書かれているから、この定期協議は続く。ぼくは機会を得られる限り見届けたい。そして、同業者たちに伝え続けたい。今自分たちが働いている福祉の現場は、少なくとも憲法に違反していると判断された法に基づいた事業を行っている職場であることを。

同業者の中には「厚労省とケンカしても何にもならない」と、あえて敵対せず協調も辞さない人間もいるが、ぼくは生涯そんな聞き分けの良いだけで、その実奴隷根性な姿勢をとるつもりはないし、そもそも出来ない。
少なくとも企画課長のような人間を受け容れつつ共に何かを成すことなど考えもしない。彼女のような人の在り方を否定する生き方を貫くだけだ。それしか出来ない。それしかやりたくない。精神の廃墟で働くなんてまっぴらごめんだ。

帰りにそのまま国立は谷保のかけこみ亭に、豊田勇造師匠のライブを観に行く。共演の館野さんも素晴らしく、ぼくの沈んだ気持ちは救われた。これまで師匠のライブで何べん救われたか知れない。政治に救われることはきっとこれからもないだろう。

明日はそんな師匠との阿佐ヶ谷あるぽらん共演ライブ、ブログ読者のみなさんぜひ気軽に遊びに来て下さい!

今宵のBGMは「カラワンLIVE」カセット。カラワンライブもいよいよ来週です。こちらもぜひぜひお運び下さい。

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
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この記事に対するコメント

昨日のライブ良かったです。お疲れ様でした。

今日、授業準備で映像を観ていたら、ソウブラがちょこっと出ていましたよ。
びっくりでした。
http://www.youtube.com/watch?v=xB64OGsjK_8
04:00辺りです。

ではでは

あるぽサトー #- | URL | 2014/09/22 20:08 * edit *

おお!同志あるぽサトー君、これは5年前の第2回(確か)反貧困フェスタに出演した時の映像です。「解放の歌」を歌ってますね。
イベントとして盛り上げて世間の認知度を上げようという主催側と、非正規労働者やホームレス当事者との微妙なズレを感じて考えさせられたのを覚えています。おそらくこれ以降フェスタは開かれず、湯浅氏は民主党政権内へと行きました。
このちょっと前には確か経団連ビル前でも歌いました(佐々木さんが来てくれて、終わった後新橋のガード下でしこたま飲んだのを覚えています)。
ソウブラは変わってませんね(笑)。アタシの髪型はこの頃に戻ったわけです。
昨夜のあるぽらんありがとう!10月12日もよろしくです。

五十嵐正史 #- | URL | 2014/09/23 00:24 * edit *

ズレの意識はホント大切ですね。
昨日は足元の大切さを感じたライブでした。
ありがとうございます。

12日、どっぷりとソウブラサンドにどっぷり浸かれるのを楽しみにしています!(五十嵐さん名義だけど!)

あるぽサトー #- | URL | 2014/09/23 01:06 * edit *

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