周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ483 

2014/08/16
Sat. 23:32

敗戦記念日翌日の今日(16日)は、長女と共に団地から歩いて、明治大学平和教育登戸研究所資料館へ3度目の再訪。

ぼくは自宅から歩いて行けるこの、旧陸軍の重要軍事機密施設であり、市井の人々が他言無用の掟の下、何百人もが自宅から通って殺人兵器の製造および研究に携わっていたという資料館の存在に、戦争のリアリティーをいやが上にも感じる。
それはまるで戦前の新興俳句の名句“戦争が廊下の奥に立ってゐた”のように、日常の暮らしの場所からすぐの所にあった戦争の、圧倒的に普通な、それゆえに恐ろしい忍び込み方、生活への浸透力を知らしめるからだ。

団地から歩いて30分の資料館は、変わらぬ佇まいでそこに在ったのだが、今日は入り口前のスペースに、遠くからでもそれが骸骨と分かる等身大の錆びついた鉄のオブジェが何体もぼくらを待ち構えていた。
特に真正面に並んだ3体の骸骨は、鉄兜を被り銃や銃剣を構えボロボロの軍服をまとっていて、その前に立つと3体の必ずどれかの骸骨兵から見詰められるという展示のされ方であった。

ぼくも娘もちょっと驚きながら作品に近づき、ぼくは思わず「これは竹内浩三だ!」と声を出していた。まさに骨がうたい何かを訴えるそんな造形物は、フィリピン等の南方戦線で戦死した、それ以上に餓死やマラリヤ感染で死んだ兵士たちの悲惨を現していた。
作者の名は武田美通(たけだよしとう)氏。ジャーナリストを経て60歳より鉄を素材にした造形作家となったとのこと。丸木美術館を始め、多くの反戦を訴える展示会を開催しているらしい。

展示物の脇には大きなパネルに「遥か我が祖国、日本の皆さまへ」と題された長文のメッセージが掲げられており、それは“私たちは、かつての太平洋戦争中、天皇陛下のため、お国のためにと戦場に駆り出され、戦死していった兵士たちです”という書き出しで始まり、戦場で傷にわいた蛆まで喰った凄惨を語り、後半は愛してやまない故郷日本が、再び戦争のできる国になろうとしている気配に憤り、「何を血迷っているのか!」と怒りの叫びを上げる。これはそのまま憲法9条を捻じ曲げ、集団的自衛権の行使を手前勝手に正当化した現政権への、安倍晋三への告発である(このメッセージ自体は2005年に書かれたもの)。

この日は資料館学芸員の案内で、普段は出入りの出来ない資料館前に現存する(資料館自体戦時中の登戸研究所の建物なのだが)弾薬庫(実際は薬品等の倉庫だったらしい)内を見学させてもらい、娘と共に当時のままの染みだらけの狭いコンクリートの建物内部に入り、一瞬戦時中の茶色い色彩の時代にタイムスリップしたような気分を味わった。

明治大学の教職員、学芸員、そして市民で構成する保存会(家の母ちゃんも関わっている)の「戦争を風化させずいつまでもその実態を暴きさらけ出し、後世に伝え続ける」意志が、見事に維持され育ち続けている実に稀有な戦争資料館。それが登戸研究所資料館だ。開館は水~土までの10:00~16:00、入館無料なのがすごい。

今宵のBGMは、ジミー・クリフの2012年の発表の原点回帰の傑作「リ・バース」。ジミー・クリフのスカとレゲエの中間のような独自のリズムが、ボブ・マーリーとは違った味を出していて素晴らしい。レゲエとは音楽ジャンルというより、ミュージシャン一人一人のハートビートなのだと思わせてくれる。ザ・クラッシュのカバー“ガンズ・オブ・ブリクストン”がカッコ良すぎる。

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
スポンサーサイト

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://soulbrothers.blog137.fc2.com/tb.php/737-52faf82d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-11