周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

骨のうたう 

2014/08/10
Sun. 21:15

骨のうたう(原詩)
詩 竹内浩三

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるやあわれ
とおい他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や

苔いじらしや あわれや 兵隊の死ぬるや
こらえきれないさびしさや
なかず 咆えず ひたすら 銃を持つ
白い箱にて 故国をながめる
音もなく なにもない 骨
帰っては きましたけれど
故国の人のよそよそしさや
自分の事務や 女のみだしなみが大切で
骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらい
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨は骨 骨は聞きたかった
絶大な愛情のひびきを 聞きたかった
それはなかった
がらがらどんどん事務と常識が流れていた
骨は骨として崇められた
骨は チンチン音を立てて粉になった

ああ 戦死やあわれ
故国の風は 骨を吹きとばした
故国は発展にいそがしかった
なんにもないところで
骨は なんにもなしになった


ヒロシマに引き続き、ナガサキでも原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において、安倍首相(首相などと呼びたくないのだが、こんな男を事実トップに頂いていることの恥を忘れないためにあえて首相と書く)は徹頭徹尾事務的に去年と半分以上の部分が同じ首相あいさつ文を読み上げたという(テレビニュースを観ないので声音を見聞きしてはいないが、東京新聞掲載の全文を読んだだけでも、その気の抜けた事務的やっつけ仕事感はありありと伝わる)。

ぼくは、無数の原爆犠牲者の骨を吹きとばし、なんら顧みず無と帰して、なおも原発を推進、再び武力で他国に参戦してでも経済発展することしか目指そうとしない、いやそれしか目指せない、そのためにそれを遮るものは生きている者であれば、すべて「見解の相違」として無視するこの国の首相と、それを支える者達(自民党と公明党はその大番頭)、ニッポンが、竹内浩三をして彼の詩人的感覚で掴み予見していたこの国の未来そのものであったことに驚くと共に、この国はあの無残な敗戦を経てもなお、根本において結局何にも変わっちゃいなかったのだということを確信せざるを得ない。

詩人がこの感性を保持しつつ戦争を生き延び、どんな暮らしを営み、戦後日本のがらがらどんどんと発展を目指して事務と常識が流れて行った月日にどう抗ったのか、せん無い事とは知りつつ夢想を止められない。

ぼくが今回のCDで歌っているのは、竹内の親友であり、同人誌「伊勢文学」を共に作っていた中井利亮氏が言葉を整理して戦後この詩を広く世に出したバージョン(このブログの竹内浩三②に掲載)。
最初の立ち上がりと打って変わって、後半形式が乱れ、言葉が細切れに吐き出されて行くこの原詩は、まさに竹内の絶唱である。そして繰り返しになるが、あくまでクールにこの国の本質を掴んだ上での乱れた絶唱だ。

もし、竹内浩三がぼくのCDバージョンを聴いたら、「キレイにまとめやがったな!」と文句の一つも言うかもしれない。何でも良いから言って欲しい…竹内に聴いてもらいたい。
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この記事に対するコメント

1日遅れでコメントスミマセン。CD早く聴きたいです。楽しみにしてます。ところで「こちら」は日々権力の攻撃が厳しくなって来てます。軍艦まで出て来るとか来ないとか…。普通の日々を送ろうと思ってるのに、なかなかそうはいきません。そんなに行けるわけではないけど、休みの日には辺野古ゲートに向かっている。なかなか普通は許してもらえないようです。14日はいよいよブイ設置。かなり厳しい闘いになりそう。どんなに声を張り上げようとトラックを止めることができない。是非今起きてることを覚えてできることで力を貸して下さい。
長いコメントでスミマセン。少し弱気になってますが、まだ諦めていません。遠くにいても共に闘っている友の唄を聴きながら頑張ります。

くわえ #- | URL | 2014/08/12 23:29 * edit *

沖縄の大切なお盆の時期に、それどころではない現実…。
普通の暮らしをこうして平気で踏みにじるのだから、やっぱりこの国は誇るにまったく値しない本当にダメな国です。
ドキュメンタリー映画“標的の村”の、三上智恵監督の撮影日記で、辺野古の状況を映像で観ています。先日は、ミキサー車の前に立ちはだかるおばぁさんの姿を動画で観ました。くわえさんも行かれているのですね。
気持ちを、オモイをはせながら、何が出来るのか考え続け発信し続けます。伝えてくれてありがとうございます。

五十嵐正史 #- | URL | 2014/08/13 00:10 * edit *

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