周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ473 

2014/07/13
Sun. 21:04

昨日(12日)は、スタジオヒラポンで竹内浩三CDレコーディング&練習。

今回のCD収録曲中唯一のソウブラ全員で録音する「三ツ星さん」と、三線の山村君とぼくの二人で「鈍走歌」(竹内浩三の「鈍走記」という詩を五十嵐が補昨詩、作曲した歌)を録音。この曲で他の3人のメンバーはお囃子を担当。

レコーディングは良い感じで無事終了し、いよいよ後1回8月2日にティンホイッスルのまえちゃんとドブロギターのタキさんを迎えての最終レコーディングを待つのみとなった。
3月から制作を開始したこの竹内浩三の遺した詩に曲をつけた作品集。こんなにレコーディングが楽しく充実したものになるとは思ってもみなかった。
個人的にぼくはレコーディングがあまり好きではない。ライブをやる方がレコーディングの何倍も楽しい。しかし、自分の作品を録音物として残したい欲求も強い。なので、どこかで「仕方なさ」も感じながら、これまでレコーディング作業に取り組みバンドのCDを創って来た(もちろん、常に良いモノを創りたいと全力で取り組んでは来たが)。

しかし、今回のレコーディングは「仕方なさ」の微塵も感じることなく、自分で書いた詩ではない竹内浩三の作品にのめり込み、ソウブラのライブ活動とはまったく切り離した作業としてここまでやって来れた。
なぜだろうと考えれば、当然ぼくが竹内浩三という23歳で戦死させられた無名の詩人に惚れぬいていることがあるけれど、やはり今の時代、はっきり言えばアメリカに隷属しながら突き進む歪んだファシズムに侵され、無残な敗戦と侵略と虐殺への反省をかなぐり捨てて(元々皇族も為政者も反省などしてはいなかったのだが)、他国との戦争状態に突き進みつつある目を背けることのできない現実が、ぼくをこの作業に駆り立てているのだ。

けれど、彼の作品はこの時代を生き抜く解決策を何ら提示してはいない。反体制運動を促し煽るものでも全くない。それどころか、彼は政治が大嫌いで興味もなく、ただ時代に翻弄された挙句に戦場に連れて行かれひょんと殺されてしまった一人だ。
そんな彼の作品をなぜ、この時代にこそ世に出したいと、うた歌いとして「歌」にして世に問いたいと思うのだろう?

その答えはきっと、このCDが完成した時に、それを自分で聴いた時に分かるのかもしれない。

昨日山村君との熱いセッションをレコーディングしながら「鈍走歌」を歌っている時、彼の原詩にもある“戦争こそ悪の豪華版である”という詩が、ホンとリアルにこれほどリアルに感じたことはないくらい、切実にそう感じた。戦争の真っ最中に生きながら、それをこんな言葉に出来た若き詩人の魂に心から尊敬の念を抱いた。
最近何度も書いている気がするけれど、この時代に本気で抵抗して行くのなら、一人一人がそんな詩人の魂を持たなければ(当然それは職業詩人の魂ではない)何にもひっくり返すことは出来ない。カンテイマエだけではダメだ。そこから奴らに創られた脳みそを創り変える作業をしなければ、ダメだ。別の論理と倫理と仕組みで生きなければ、ダメだ。
それでも結局詩人は殺されたが、詩人の魂は生き残り69年後の日本でささやかなCDとなる。武者震いがして来る。

今宵のBGMは、久々に聴いてます岡林信康氏のLP「岡林信康の世界第2集」。彼の“コペルニクス的転回のすすめ”がまたも切実に響いて来る時代がやって来たけれど、おそらくこのしんどい作業を大多数が突き詰められずにここまで来たのだなと思う。おそらくそれは岡林氏自身でさえも。それはまさに、「敗戦」を「終戦」と誤魔化したこの国のやり方とも重なる。けだし、名曲である。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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