周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ466 

2014/06/17
Tue. 22:42

“暮らしという名のラブソング”という歌の歌詞に、夕闇の団地の入口でぼくの帰りを待つ長女のことを書いた時、彼女は小学2年生だったのだが、小学6年生となった今も初夏から晩秋まで、雨をのぞき残業や飲みで遅くならない日はいつも彼女は団地の入口で父を待っている。

さすがにファザコン過ぎやしないかと心配にもなるが、別にベタベタして来るわけでもなく、夕闇の中に父の姿を見つけると、お気に入りの青い沖縄の島草履をパタパタ鳴らして駆け寄って来ては「おかえり」「ただいま」と言葉を交わして、わずか数十メートル先の我が家の玄関まで、森の匂いをかぎ虫の声を聞きながら一緒に歩く、ただそれだけなのだ。

長女は毎朝出がけの父に、今日は帰宅が遅いのかそれとも普通なのかと聞き、普通と聞けば必ず同じ時間に団地の入口に立つ。
一つ困るのは、「普通」と答えてしまったら必ず同じ電車に乗って同じ時間に帰宅しなければならないことで、ついうっかりして1、2本いつもより早い電車で帰れたりすると、わざわざ遠回りしたり生協で時間をつぶしたりして時間調整しなければならないことだ。

ご存知の通り我が家は携帯電話を持たない主義なので、一々細かに連絡を取り合うという習慣が無い。
時間をつぶすのを回避するために、わざわざ携帯を買う気にはならない。時間をつぶさなければならない煩わしさを、出来れば煩わしいなどと思って生きたくない。多少の面倒、不便を厭わず景色をボーっと見たりして過ごす無駄を嫌いになりたくないのだ(そんな無駄な時間にたいてい歌はやって来たりする)。

長女が待っていると思うと(たまに次女や長男も来たりするが、次女は長女の独占欲を察して遠慮しているらしい)、不思議とこちらも帰り道の心が弾む。遠くから団地の前に佇む小さな人影を見つけると何ともうれしくなる。時には涙が出そうになるくらい。

歌の中にもあるけれど、遠い記憶の中で、お風呂屋帰りのお袋とぼくをアパート前の街灯の下で待っていたのは、仕事帰りの親父であった。
部屋のカギは持っていただろうから、先に入っておけば良いものを、親父はなぜかいつも街灯の下でぼくらを待っていた。その姿をお袋に手を引かれながら見つけた時の心の弾みは、今も長女を見つける時と変わらない気がする。

いったいいつまで長女が迎えに来てくれるのか分からないが(彼女は自分の決めた習慣を頑固に守るタイプ(要するにちょっと融通が利かない)なので、彼女にとってはちょっとしたゲン担ぎみたいな習慣なのかもしれない)、ぼくの中に親父が待ってくれていたのと同じく幸福な記憶として残り続けるだろう。だから、今でもとっても新鮮な気持ちで毎度“暮らしという名のラブソング”を歌えるのです。

今宵のBGMは、ベン・ハーパー&エレン・ハーパーの最新親子デュエットアルバム「チャイルドフッド・ホーム」。これメチャクチャ良いです。アコースティックで素朴なサウンドに乗せて親子の物語が甘さも苦さもすべて淡々と綴られていて、思わず目頭が熱くなる。それにしてもアタシと同い年のベン・ハーパー、ステキなお袋さんがご健在でホンと幸せ者だなぁ。

BG酒はキリン澄みきりでした。ではまた、ラブソングでロケンロール!
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この記事に対するコメント

しみじみよい景色ですね。

そういえば私も
遠くの父親の車の音を聞き分け
「お父さん、帰ってきはった!」と叫んでいたものです。
犬みたいな子やなって言われてたけど…(笑)

思えば幸せな時間でした。
なんてことない日常の出来事なんだけど…ね。

さくら #T/baKjHk | URL | 2014/06/18 00:14 * edit *

好い唄なんだな。6年生なのか、大きくなってるのだな。

五十嵐 仁 #- | URL | 2014/06/18 18:16 * edit *

「お父さん、帰ってきはった!」の京都弁の響きが良いですね~。
仕事から帰って来るだけで、子どもをワクワクさせられたら、もうそれで親父の役割果たせたような気が(笑)。

なんてことない日常の出来事だからこそ、気付くととっても愛しいのかもしれませんね。
山崎の風景、この間初めて入った銭湯昭和湯の雰囲気、大好きです。

五十嵐正史 #- | URL | 2014/06/18 21:17 * edit *

8月の夏休みで、関宿に遊びに行けたらと思ってます。

五十嵐正史 #- | URL | 2014/06/18 23:37 * edit *

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