周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ449 

2014/04/11
Fri. 23:56

残業続けた甲斐?があって、期限の昨日夕方、無事第二次の書類提出を区役所に済ませてそのまま蒲田駅で同僚のK田さんと心の友U君と待ち合わせ、一路りんかい線東京テレポート駅へ向かう。

いよいよ待ちに待ったZeppダイバーシティでのボブ・ディランライブ。鉛のように重たい身体と裏腹に、気持ちと心はまるで羽が生えたように浮かれている。ディランが歌う姿を想像するだけで何だか涙が出そうになるほどこの日を待ち望んでいた(本公演を取り損ねてそのままあきらめていたら、どれだけ後悔したことだろう)。

それにしてもお台場付近は、何べん降り立っても(前回のディランライブ以来)好きになれない。まさにハリボテの極みの街並でぼくには荒涼とした風景にしか見えない。

間違えてダイバーシティ内のショッピングモールに入ってしまい、「こんな所にライブハウスがあるんかいな?」と不安になりながらも何とか開場時間を少し過ぎて着くと、すでに入場が始まっており、予想通りAブロックは自由席スタンディングで一番初めに案内されている。
期待に胸を膨らませ、それでもしっかり散財してグッズを買って、Aブロックの入口から入れば「キターッ!」何とステージからわずか数メートルの距離!ここなら絶対ディランの表情まで良く見える。ディランライブに行くなら絶対追加公演狙いだ。ネット予約をしてくれたK田さんに大感謝である。

しかも、Aブロックの人間は何べん外に出てもまたAブロックに戻って来れるという、まさに特権ブルジョア階級扱い(値段同じですが)。トイレも安心で何やら申し訳ないけど実に気分が良い。

全くSEの流れない何とも味も素っ気もない無音の場内に、開演時間を少し過ぎた頃突如チャイムが鳴り、ギタリストのスチュ・キンボルが軽快にアコギ(ギブソンJ-45!)を弾きながら現れると、暗がりのステージにメンバーがぞろぞろやって来るのが分かり、1曲目の“Things Have Changed”が始まる。歌い出して初めてセンターに立つディランが照らされるがステージ全体が相当暗い。それでもAブロックのおかげでディランの表情と動きが実に良く見える。

実はこれで7回目のディランライブだが、こんなに近くで観たのは初めてであり、ものすごく新鮮に感じて一挙手一投足に目が釘付けになる。後ろの方で背伸びしてもほとんど見えなかった4年前とは全然違う。ライブへの集中度が段チだ。

それだけでなく、会場内の音がメチャクチャ良い。バンドの音もそうだがディランのボーカルが、声の微妙なニュアンスまで実に良く聴こえる。リバーヴもそれほど深くかかってはいないのだろう、実に生々しいサウンドで、これまた前回の時に力任せな感じがした(それはそれで迫力満点で良かったのだが)のとは全然違って大変聴きやすい。

ディランには珍しく、ほとんどセットリストに変更はない(時々1、2曲入れ替わる)今のところの日本ツアー。この夜も曲順は前夜ギターの森田君が行ったのと同じようであった。それは、昨年秋のヨーロッパツアーからそうで、ぼくの持っているロイヤルアルバートホールでの海賊盤ライブとも同じセットなのだが、この夜の演奏の方がさらにこなれて余裕があり、即興であろう途中で突然ブレイクが入ったりして、同じセットリストでライブを続けて来たならではの円熟した演奏が堪能出来て、これはこれで良いなぁと思えた(ライブ前はかなりレアな選曲を期待していたのだが)。

ディランは曲によって、センターに出て来てフリーハンドで歌ったり、舞台右手のグランドピアノの前に行って実にシンプルで気ままな(要するに上手でない)フレーズを弾きながら(でもグルーヴ感マンチクリン)歌う。その夢中になって単調なリフを執拗に弾き歌う72歳の姿が、唯一無比のロケンローラーの人間味あふれる神々しさを放ちまくり、やっぱり目が釘付けになる。カッコ良すぎる。

2部構成の1部後半で、この夜の最初のハイライトがやって来た。Aブロックの客層は60年代から聴いているだろう世代だけでなく、半分以上は若い世代に見えた。その証拠に歓声がけっこう若々しいし、曲間の「ボビーッ!」という叫びも結構黄色い。そしてノリの良いロッキンナンバー“デューケン・ホイッスル”とヘヴィーなロックナンバー“ペイ・イン・ブラッド”で客席からタイミング合わせたかけ声が入ってやんやの盛り上がり。その声の多くが若者たち(無理くりアタシらも入れてしまうが)で、その盛り上がりにぼくは涙が出るほど感動した。
なぜなら、その2曲は2年前に出たディランの最新アルバムの収録曲だからだ。何十年も聴かれ続けている超有名曲ではなく、70過ぎて出した最新作の収録曲で一番盛り上げてしまう凄さ、現役感。これぞホンとのロックじゃなかろうか!?

1部の最後は、恋の病に悶える男心を72歳が吠える“ラブ・シック”がカッコ良すぎて凄すぎて、最後のキメで“君と一緒に居れるなら、俺は何もかも投げ出してしまうよ”とディランがいななくと、ぼくはホントにチビリそうになるほどノックアウトされた。声が自在に出まくっとる。

2部も最初はスチュのアコギギターリフで始まり(もう一人のギタリストはお馴染みチャーリー・セクストンで、アタシはこの人のギター大好き)、これまた大好きな“ハイ・ウォーター”。かつてぼくは“歯軋りのブルーズ”という歌を書いてこのメロディーを借用したのだが、これを聴いてまたやりたくなった。

結局過去の超有名曲と言えば、アンコールでの“見張り塔からずっと”と“風に吹かれて”くらいで、90年代以降に書いた曲中心の潔すぎる選曲は、ディランがあくまで“今”を毎晩歌い切っている証左だろう。そのことが与える感動は、スタジアムクラスで懐メロ回顧ナンバーを並べられるものとは、それでいくら現役と称しても本質が違うのではないかと思える。
おそらく悩みの80年代を過ぎ(それでもディランはディランだったが)、ディランは自分だけのやり方と行く道を“今”を歌い続けながら己で見定めて来たのだろう。

それが昨夜の、若い頃のディランと全然違うパフォーマンスと歌い方でZeppダイバーシティの客を虜にし、アンコール後実に満足そうに笑みをたたえながらの“どや顔”だったのだろう。どや顔する資格がディランには大いにある。

最後の“風に吹かれて”は、過去2001年、2010年と聴いたどれよりも素晴らしかった。この歌の問いかけが今も全く古びてなく、今まさにこの国で問うてることだし、何よりその問いの答えがそう簡単に見つからないことも、おそらく未だ根っこを張らずに風に舞い続けているだろうことも、切実に迫って来た。

それにしても我が親父と同い年の今年73歳、次の最高傑作が楽しみだ。

今宵のBGMは、2001年のボブ・ディラン来日ライブの海賊盤CD-R。この時の“ラブ・シック”よりやっぱり昨夜の方が断然良い…。凄すぎる~。

BG酒はホワイトハイボール、久しぶりにゆっくりブログ書けた~。明日はレコーディングの心だ~。ロケンロール!
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