周辺暮らしのロケンロール
関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ
ロケンロールライフ427
2014/02/12
Wed. 22:10
今回は、有名な無声映画黎明期の名作「大列車強盗」(米1903年)「月世界旅行」(仏1902年)がチラシに掲載宣伝されているが、この2本でわずか30分足らず、どちらも筋立てはいたってシンプルで、とにかく当時画期的であった映像の妙で観せるのだが(「大列車…」は初のストーリー映画?、「月世界…」は世界初のSF映画と呼ばれる)、前回全篇3時間の大長編「国民の創生」をやった我々である。これで終わるわ~けがない。実は他にもう一本あるのだ。
今回片岡君に送ってもらった事前のDVDに収録されていたもう一本は、下手の横好き無声映画知識いまだ素人の域を出ないぼくなど全く知らない、どうもかなり珍しい雰囲気マンチクリンの長編作品であった。諸事情により詳細説明は控えるが(それ自体興味をそそるでしょ?)、それは今から90年近く前に作られた19世紀初頭の某国誕生にまつわる物語で、サスペンスタッチの個人的な愛憎劇と共に不屈の主人公が艱難辛苦に耐えて活躍?するというものだ。
なかなか入り組んだ話なので(そういう意味では、前回の「国民の創生」は分かりやすかった)、映像だけでは筋が見えにくいだろうと、今回初めて片岡君から草稿段階の原稿を送っていただいた。これがまたすごい量(国民の創生では100ページを超えていた)!でもおかげでストーリーが掴め、場面に乗せる曲調を考える資料に大変役立っている。
これが本番でどんな語りとなるかは、お客さん同様、共演のアタシも実に楽しみなのである。
毎晩少しずつ、いつものように映像と首っ引きになりながらギターを抱え、思い付いた曲を当て込み、それを何回も繰り返して音楽を決定させて行く作業。何べんも言っていることだが、譜面が書けない読めないなので、今回も自分でも何のことやら時々分からなくなってしまう、例えば「サントリー風」だとかの曲イメージメモを場面の横に書いて行き、そのメモを頼りに練習する。
このひたすら地味な作業が、結構やりがいあって集中する。とにかく自分の音楽的引き出しをフルで開けなければ、とても映画の音楽は付けられなし、やればやるほど場面の展開に合わせてピターッと来る音楽を付けたい欲求が強まる。
要するにアタシはこの仕事が大好きなのである(技術はともかく)。
今年の9月にはまたもドイツへ行くことが決まっている片岡君であるので、みなさん今回ぜひお見逃しなく。
アタシが言うのも何ですが、この人の語りは一緒させてもらう毎に磨きがかかり、まさにいつまで続くか知らん旬に突入しているものと思われるので、なおさら重ねてお見逃しなく!
余談ではありますが、先日来の佐村河内氏のゴーストライター話で、ゴーストライターをされていた新垣氏と片岡君は実際仕事をご一緒されたことがあったとのことで、自身のブログで新垣氏について思いを込めて書いています。
新垣氏がマツダ映画社(現存する無声映画のフィルムを管理する会社)所属と新聞で報道されていたので、面識あるのかなとは思っておりました。
アタシ個人何を言う立場でもないけれど、特に芸能界音楽業界におけるゴーストライターの存在は、疎い自分にも昔から良く聞く話であったし、特に音楽なんて「誰のもの」というのが中々決めつけられないものだとも思っているので、それほど大問題とも思えないのでありますが、案の定良く知りもしないで面白がってバッシングする言説が飛び交う(もちろんネット大活躍)事態には、今回もまた「烏合の衆」の称号を日本国民に与えたくなるのです。
ったくネットというおもちゃを与えられると、もう黙っていることが出来なくなるのかねェ。アタシの割と好きな日本語である沈思黙考(しないと歌は書けません)とはもはや死語なのか…。
そして、今宵もこれから無声映画の世界へしばし行って来ます。
今宵のBGMは、ボブ・ディラン2013年ロイヤルアルバートホールライブ海賊盤。ラストの「ロール・オン・ジョン」はホンと素晴らし過ぎる。メロディーにつられて歌詞が生まれつつあります。
BGドリンクは無調整豆乳でした。ではまた、ロケンロール!
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