周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

新宿中央公園越年越冬支援ライブ終了 

2014/01/01
Wed. 23:00

2013年41本目の最後のライブ、新宿中央公園越年越冬支援ライブが終わった。

越年越冬支援とは、路上で生活するホームレスの人たちへの支援であり、毎年続けて来て今年で20回目、年末から年明け三が日までの毎日、大規模な炊き出しと医療テントの設置、そしてライブや映画上映(寅さん)が中央公園内で行われる。

ソウブラは2003年の夏祭りの出演をきっかけに、その年の大晦日の越年越冬支援も出演し、以来10年連続夏冬合わせて22回出演させてもらった。

新宿中央公園のホームレスの人たちの様子は、年に2回だけ歌いに来るぼくの目から見ても変化し続けて行くのが分かった。それは、「路上生活者を無くす」という題目だけで見れば「良くなって来た」変化であったのかもしれないが、ぼくらは毎回路上生活の人たちの前で、同じ路上で歌いながら「解消しなければいけない」ホームレスのおっちゃんたち(親しみを込めてこう呼びたい)から、常にポジティヴなバイブレーションをもらい、路上の流儀みたいなものに居心地の良さと人間の根源的な温かさと大らかさを感じ続けた。

それは、変な自意識と売り込みばかりが目立つバンドやミュージシャンをめぐる世界にそっぽを向き、「そうではない音楽(ロック)の在り方」を求めるぼくらが、年に2回自分たちの立ち位置を確認するための羅針盤のような存在であった。

今年の大晦日は、予期していたとは言え、毎回声をかけてくれるOさんと主催の新宿連絡会のKさん(連絡会のHPからニュースが読め、ぼくはKさんの書く冒頭文章が大好きである)から最初に「今回で最後です」と告げられ、何とも寂しい気持ちになってしまう。
去年より少し暖かい大晦日だが、越年越冬の風物詩であるドラム缶焚火が今年はどこにもない。Oさんによれば都から禁止されてしまったとのこと。猪瀬が去っても役所の構造的姿勢は何にも変わりやしない。20年続けて来たこの支援活動の最後にこんな圧力をかけて来るとは…。

炊き出し前の公園の様子は、やはり例年よりも少し寂しい感じがして(関わるボランティアさんも少ない気がした)、それでも素明かりの下シートにおっちゃんたちが次第に集まって来れば、そこはもうここならではの雰囲気になる。
女性もけっこう居た時もあれば、年越し派遣村以降は若者が増えたこともあった。色んな情報網でここを知った人が、それぞれの事情を抱えてここにやって来る。もちろん、毎年顔を合わす人も居て、みんなを仕切っている役割の人も居る。

しかし、実質生活保護を受給し「必要のなくなった」人たちが最近は多くなり、そういう人たちが炊き出しに並び、支援物資を受け取る事態も目立ってきたようだ。
おそらく都の妨害ともとれる圧力も、そのことが背景にあるに違いない(それでも、火を焚かせないのは非道である)。

この最後の越年越冬支援ライブは、トップバッターがソウブラで、次がソウブラより少し前から越年越冬に出演しもう何回もここでご一緒させていただいた、中東の民族楽器が奏でるサウンドに圧倒的な歌唱力の歌がからむ3人組バンド“ラビィ・サリ”。そして、トリは日本の最高のサックスプレーヤーであろう“梅津和時”さんという、新宿ならではの顔ぶれであり、あらためて自分たちはすごい人たちとやっていたのだと思い至る。

そして、ここでの最後のぼくらのライブは、これまでここで歌って来た歌、こことの出会いから生まれた歌を歌い最後までソウブラらしいライブをやることが出来た。
いつもの連絡会が用意してくれる音が割れ気味のマイク、家から転がし運んで来た自前のアンプ。発電機が時々止まってしまいマイクの音も途中で切れてしまうことも。でも、それがここのライブ。みんなで持ち寄り寄せ合い作るライブ。

この夜もぼくらの歌を聴きながら自然と手拍子をしてくれるおっちゃん、口ずさんでくれるおっちゃん、前に出て来て踊るおっちゃんが居てぼくは胸が熱くなる。
“あなたと歌うこの刹那 あなたと踊るこの夜 あなたと祭るこの季節 あなたと祝うこの命”~「ハレ」より~
この歌は2004年の夏祭りの後に書いた。この歌を書いた後、ぼくはこれ以上の歌はもう書けないと思い、以降5か月歌詞が書けなくなったほど精魂を込めた歌だった。今年も目の前に、この歌の通りの光景が広がった。

最期の「結風」を歌い切り、何人かのおっちゃんたちと握手を交わし、OさんKさん共握手をした時自然とKさんとがっちりハグをした。「ありがとう」「ありがとうございました」と言葉を交わしながら、ぼくはKさんにぼくのこの場所への、これからも地道に活動を続ける新宿連絡会への思いが確かに伝わった事を感じ涙があふれた。周囲に人が居なければ一しきり嗚咽をもらして泣きたかった。

最初のここでのライブに応援に駆け付けてくれ、この夜も見届けてくれたあるぽらんのマスター佐々木さんを始め、多くの友人たちが観に来てくれた。
ライブ後は何人かで杯を交わし、湿っぽくなりそうな気持ちを盛り上げるように晦日の新宿の夜を大いに語り飲んだ。

遅くに帰宅し、「紅白を卒業する」とか言う北島三郎の歌を聴きながら、何とも白々しいような気持ちになった。ぼくらはこの夜本当に終わってしまう場所で歌って来たのだぞ!とテレビに向かって毒づきたくなった。

年越しそばを食い、例年通り長女と近所の不動院に初詣に行き、お神酒をいただき境内で火の粉を散らしながらこうこうと薪が燃やされる火をしばらく見つめながら、ぼくは火を許されない新宿を、中央公園で出会ったおっちゃん達を思っていた。

新宿中央公園越年越冬支援ライブセットリスト
①ハレ
②そこからロック
③知床旅情
④解放の歌
⑤結風


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