周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ377 

2013/09/06
Fri. 23:58

昨夜、最初から30分だけ音楽を付けて、やっと全編を観終わった「国民の創生」はやはりものすごい映画であった。

なにがすごいって、その圧倒的なスケール(もちろん今では普通だが、それでも制作年が1915年と考えるととんでもない映像技術と規模)と、強引極まりない手前勝手な筋書きを、これまた強引に史実からの引用を堂々と謳ってこれぞ真実と言い切るパワーに腰を抜かしそうになった。

そしてこの映画、とにかく世界から戦争を無くしたい、平和を実現したいと言い募ってはそれとセットで「正義」によってと語られる。この言葉のセットは、そのままぼくが成人してから現在に至るまで、湾岸戦争以降実際に聞いたアメリカ大統領の吐くセリフとまったく同じである。

アメリカはやっぱりずっと前からアメリカだったのだ!
南北戦争の時(アメリカではアメリカ内戦と言う)からずっと正義は力であり、力こそ正義とキリストを持ち出し肯定させて主張して止まない国であった。

なにせこの映画、終盤には不気味な白マントのKKK団が月光仮面よろしく正義の味方としてさっそうと現れ、悪い黒人達(全員白人が黒塗りした役者たち)をバッタバッタと殺して行くのを、善良な市民たちが「正義は実現された!」と喝采して喜び迎えるのだ。実際まだこのシーンには音楽付けていないけれど、まったくどんな曲が合うのやらさっぱり見当も付かない。唯一合いそうに思うのは、ジミヘンがエレキで奏でる歪んだアメリカ国歌。ひょっとして、この映画3時間全編、ジミヘンのアメリカ国歌だけで良いかもしれないとさえ思えて来る。

今をときめくタランティーノ監督含め、多くの映画人から「世紀の駄作」「アメリカの恥」とまで言わしめた“国民の創生”だが、暴論を承知で言えば、ぼくには現在のハリウッド映画の基礎がこの映画で確立され、その大味なストーリーの傾向も含めてずっと踏襲されて来ているように思えてしまう。
それほど、この映画は徹頭徹尾アメリカなのだ(公開から2年で2500万人が観て、ホワイトハウスで初めて上映された映画という。でも、人種差別的内容のため、LAやシカゴでは上映禁止になったらしい)。

今夜は9時前に帰宅して、晩酌&晩飯後に南北戦争のシーンのギター付けに取り組んだ。
戦死のシーンなどは割とスムーズに付けられたが、長い戦闘シーンの音楽がかなり難航した。
チャンバラみたいな感じになってしまったり、ブギィ調だと何だかノリノリになってしまうし、悲惨でありながらどうにも冷酷にダラダラと続く派手な爆破シーンに合う音をギターを爪弾き探していたら、単調な中にも波があり、冷酷にも激情にも弾けるヴェルベット・アンダーグラウンドの名曲「ヘロイン」のコード進行に辿り着いた。
これだったら、どんなに長いシーンでも自分で飽きることなく気持ちを込め続けながら弾ける。

この大作に取り組ませてもらえるおかげで、アメリカのことを今までよりさらに深く知ることが出来る気がする。
熱く、冷酷に、盛り上がり、心からの皮肉を込めて、この大作を演じ切れたらと思う。
どうしようもない支持基盤である軍事産業に色眼鏡を使いながら、シリアへの軍事介入を図るオバマ大統領の2013年のアメリカを知る上でも、この映画を今上映することはぼくはメチャクチャ旬だと思う。

活動写真弁士片岡一郎師匠は、狙ったに違いないと、不肖の相方であるぼくは勝手にほくそ笑むのである。

それにしても、オバマ大統領はこの映画絶対に好きじゃないと思うのだけど…彼が力の正義を標榜する姿は何とも皮肉に感じる。そう、アメリカは実にナンセンスな国でもある。

今宵のBGMは、ザ・ベルヴェット・アンダーグラウンドの1969年の未発表ライブ音源ばかりを集めたブートレグシーリーズ。ものすごいシンプルで歪んでいてひずんでいて熱いサウンド。この単調さがたまらない。モーリン・タッカーとリンゴ・スターは最高のズンドコドラマーだ!
古いアメリカ音楽にもヒントを求めたけれど、やっぱロックが基本ですね。

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!





スポンサーサイト

[edit]

CM: 2
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

五十嵐君の映画への音付けの様子が伝わってきて興味深かったです^^

しかしアメリカって昔からあまり変わってないんだねぇ。。
思うに、アメリカって自分が神かイエスだと思ってるんかもね。ホントの意味で人間を裁けるのは、神か、最後の審判で再臨するイエス・キリストしかいないってことは、アメリカがキリスト教国なら分かっててもおかしくないだろうに。
神を利用して正義をふりかざし、戦争をするなんてのは神やイエスの教えからは逸脱してるもいいとこだと思うけどなぁ。。
そういう自国の矛盾をつつくアメリカ人も沢山いるんだけどね。

まだ買ってないんだけど、割と最近の二ール・ヤングの「アメリカーナ」とかいうアルバムは買ってみようかなと。。五十嵐君も興味あったらアマゾンとかで検索してみてくださいませ^^

ヴェルヴェッツの1969ライヴは、とにかくギターのカッティングが気持ちいいよね^^ ホワット・ゴーズ・オンとか^^


サイクル・アニー #- | URL | 2013/09/07 09:37 * edit *

サイクルアニー君ありがとう。

そんなアメリカで(だからこそ?)、ムチャクチャ豊かなミクスチャー文化(音楽)が生まれたことに今更ながら驚いてしまう。
ニール・ヤングの「アメリカーナ」評判良いよね。ピーター・バラカン氏のラジオで「我が祖国」のカバーを聴いたけど、実にニールヤングで(笑)とっても良かった。カナダ人の彼も、アメリカに対する複雑な思いがあるんだろうなぁ。

最近、以前師匠に勧められて読んで面白かった「ロックを生んだアメリカ南部」NHKブックスを再読しているのだけど、やっぱり大変面白い本です。ぜひお勧めします!「国民の創生」やる上でもとっても参考になりそう。

ヴェルヴェットアンダーグラウンドは、確か高校の時君から教えてもらったんだと思う。感謝!

五十嵐正史 #- | URL | 2013/09/09 00:21 * edit *

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://soulbrothers.blog137.fc2.com/tb.php/572-0da4e65c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-06