周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ368 

2013/08/16
Fri. 22:51

今朝の東京新聞の“こちら特報部”は、今年も日本の敗戦記念日である昨日の靖国神社の様子を、開門前の朝5時から通常より10分延長した19時10分の閉門までドキュメントした記事であった。

記事によれば、今年は平年より2万人多く約17万5千人が参拝したらしい。
記事中の写真には、お馴染みの軍服コスプレでバンザイするおっさん達や、動員された機動隊などが掲載されており、これまた毎度お馴染みの小競り合い等もあったとのこと。

本当は、この狂乱の日にこそ行きたくてたまらなかったであろう安倍首相は、下っ端を使って玉ぐし料を納めさせ、手前は全国戦没者追悼式で、歴代の首相が棒読みとはいえ毎年言及していた戦争への反省(いわゆる「不戦の誓い」)を完全消去した式辞を述べて見せた。
当然これは彼の「日本は反省する必要なし」という本音だろうし、これまでの形だけであっても式辞で「反省」を言うことへの拒否であろう。そして、「それをやっても今の俺は許される」というおごり以外の何物でもない。
もちろん、おごらせたのは言いたくないが我々国民ということになる。

それにしても、記事にあるように軍服コスプレ以外にも、特に憲法を変える必要がないと考える人までなぜ、この日に(この日でなくても)こんなにたくさんの人たちがこの狂乱神社に訪れるのだろう?

その前日だったか、やはり東京新聞の本音のコラムで、毎回軽妙ながらもかなり痛快な記事を書いてくれる斉藤美奈子氏も、一度は靖国神社の遊就館に行くべきと書かれていた(もちろん、戦争賛美の愚劣さを反面教師にして知るために)。が、ぼくはとても行く気にならない。

実は高校生の頃、部員3人だけだった社会研究同好会に所属していたぼくは、顧問の先生の発案で靖国神社に連れてきてもらったことがある。
27年も前なので記憶がかなりぼやけているが、覚えているのは神社内の木陰に右翼の街宣車みたいなのがゴロゴロ停めてあって、さながらその手の連中の駐屯所みたいな異様な雰囲気であったということ。どう見たってここは普通の神社じゃない。
当時パンクロック等を通じて、天皇制や軍国主義を含むあらゆる権威の否定に自分の立ち位置を定め出していたぼくは、思わず「ばかじゃねーの、こいつら!」と吠え、顧問の先生(その先生も今のぼくよりずいぶん若かった)に制止されつつ、「いーか、気持ちは分かるがここで天皇や太平洋戦争を批判するようなことは言うな」と注意された。

一しきり境内を歩いた後、遊就館(改装前)にも入った。そこには確かどこにも敗戦とも終戦とも書いていなかったはずで、代わりに停戦だか何だか適当な都合の良い書き方がされていたように思う。そして、高校生が読んでも恥ずかしくなるような程度で、日本が仕掛けた愚劣な戦争の無茶な正当化がこれでもかと繰り返され、館内正面には巨大なゼロ戦だかの絵があった(と、思う)。ここはもう、その在り方だけで御免こうむりたい場所だと思った。

だから、今さらあんな所行く気がしない。神社なら他に静かで普通の所がいくらでもある。みんなも行かなけりゃ良いのだ。先祖や祖父が祀られているったって、日本人の死生観から言えばそんなところにゃそもそも居ないだろう。もっとその人の近くの山や故郷に居るはずだろう?わざわざこんな所お参りに来る必要はないだろう?
政治家共々毎年バカ騒ぎしてしっかり奴らに利用され、安倍晋三饅頭が売り切れる。これが、日本の敗戦記念日の光景とはちと情けなさ過ぎる。

靖国神社の光景でぼくが唯一感動的に思い出すのは、2005年に公開された、終戦後も軍部によって中国に残され取引の上に国民党軍兵士として売られた日本兵を描いた「蟻の兵隊」というドキュメンタリー映画の1シーンだ。

コスプレ軍服で日章旗を掲げるおっさんを静かに睨み付ける、パナマ帽に白シャツ白ズボンの一人の老人の姿。
その老人は、靖国神社の式典の会場に乗り込み、登壇してスピーチを終えたフィリピンから戦後生き残って帰って来た小野田元少尉を待ち構えて、彼の戦争を賛美したスピーチをたった一人で指弾する。その舌鋒の鋭さに護衛に守られた小野田元少尉は早々にキレるというシーン。

その老人が、映画の主人公奥村和一氏(故人)であり、敗戦後速やかに帰国したい日本軍により中国国民党軍に売られてしまい、その後3年国共戦争を戦わされ負傷し捕虜となり、やっと帰国したのが敗戦から9年後の1954年。
そんな奥村氏のような中国国民党軍に売られた約2,600人の兵士の事を、日本政府はその存在すら認めていない。当然、戦争に負けたことすら認めない靖国神社がそういう兵士たちの存在を知るはずもない。彼らの愛国は実に手前にだけ都合の良いハリボテのママゴトなのだ。だから、靖国神社は移転してディズニーランドの隣に建てれば良い。TDL側はともかく、靖国側はまんざらじゃないかもしれない。なにせ宗教法人ですから。

ちなみに我が家の近所には、8月15日付東京新聞28面に載っている、戦時中風船爆弾作りから細菌兵器作り、偽札作りまでありとあらゆる機密作戦の研究所であった旧陸軍登戸研究所の跡地に、市民運動等により保存開館された、明大平和教育登戸研究所資料館がある。

今宵のBGMは、ボブ・ディランの1962年に発表された記念すべきデビューアルバム「ボブ・ディラン」。
録音した時はまだ20歳!と思えぬしわがれ声だけど、ギターのピッキングは実に若々しくすでにロックなグルーヴを出している。個人的にはアルバム中2曲しかないオリジナル曲の中の1曲、「ウディに捧げる歌」が好き。ウディ・ガスリーへの敬愛の念をたっぷり込めて、自分が後を継いでゆくことをさらりと宣言している。そして、ディランはディランになった。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!

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