周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

藤沢までは小田急線1本なので、「わりと近いじゃん」ていどに感じた。

しかし、普通しか大磯に停車しない東海道線をしばらく待って藤沢から約20分、平塚を過ぎて急に窓外が海辺の町の風景に変わった時に「やっぱ遠いわ」と思い直した。

偶然同じ電車に乗っていたちきんベース浅田君と梅ちゃんと駅で会えば、やはり二人もすっかり旅気分になっていた様子。改札を出ると果たしてそこは風光明媚な田舎の駅前のそれであった。
海こそそばにないけれど、後ろに山をいただいているところなんか、何だか山崎の駅前にも少し似ている。

そんな新鮮な空気を吸いつつ「本当に飲み屋ないなぁ」と呟きながら、ぼくらは創設者澤田美喜女史のレリーフのある入り口から、長いトンネルを歩きエリザベスサンダースホームへ向かった。

大森のカフェスペースCで長年お付き合いのあるI井さんに出迎えてもらうと(今回このライブを企画してくれた)、彼がこの由緒ある大きな児童養護施設の現在施設長をしていることが、何だか不思議に感じる。いつも小さなスペースCで会って気さくな話をしているから、そのI井さんとのギャップが中々埋まらないのだ。

そんなI井施設長(彼で6代目)から一通りホームの沿革を教えてもらい、子どもの実際暮らす寮内や広大な敷地に点在する各施設を案内してもらう。
それにしても、元三井財閥創設者岩崎弥太郎の別荘跡地の広大さには驚く。何せ駅から直通するあのトンネルまでも山を貫通させて造ってしまうのだから。
そして、キリスト教と無縁であった弥太郎の孫である澤田美喜がキリスト教信者となり、祖父の別荘跡地に当時の呼称でいわゆる孤児院を建ててしまった豪快さにも(彼女は政府に物納されていたこの場所と建物を、400万円集めて買い戻している)。

現在89名の18歳までの子供たちが暮らしているこのホーム(ここで暮らす理由のほとんどが、現在は親の虐待や育児放棄による)の夕方クリスマス礼拝の時間に、山の上の礼拝堂でソウブラはライブをするのだ。

山村君の軽ワゴン車に機材を積んで礼拝堂に行き、生涯で何度目かの礼拝に参加すれば、子どもたちは時折叱られながら何とか礼拝の讃美歌や説教に参加している。いやぁ、まぁそうだろう。自分が子どもの立場だったら集中なんか出来ないだろうし、家の子どもだって絶対黙って聞きやしない。

それでもやはり、正面に十字架をいただいた礼拝堂はなかなか荘厳で天井が高くて音も良さそう。

礼拝が一通り終わって、I井さんがぼくらを紹介してくれている間に急いでセッティング(なにせ会場での事前の音出しなしでいきなりやるのだ)。音が出るのを確認出来たらすぐにライブスタート。

いきなり壇上に上がってきた、オッサン3人(森田君は仕事で欠席)とお姉さん1人からなる三線が入って「ロック」を名乗る初めて観るバンドに、興味津々の視線と「なんなのこの人ら?」という視線の両方を感じながら、久しぶりにシラフの状態で挨拶代わりに「新しい日々」のイントロを弾き出して早速手拍子を求める。

けっこうノッテくれる子や大人たち(職員)も多く、こちらも遠慮なく3曲目で早速「原発は神を冒涜している!」なんてほざいて(シラフですよ)「廃炉!」を歌う。エリザベスサンダースホームの礼拝堂で思いきり歌う「廃炉!」もなかなかであった。原発製造会社の三菱の創設者である岩崎弥太郎の別荘跡地で、この歌を歌うというのも考えてみると面白い因果だ。

そしてこの日、ぼくはどうしても「光る水」を歌いたかった。ざわつく中で実際どう伝わったか分からないけれど、ぼくの勝手な思い入れで、子が親から離れて行くことを歌ったこの歌を心を込めて歌った。

最後は、予告通りパンクロック「きよしこの夜」を歌えば、壇上に子供たちも上がって来て可愛くツイストを踊ったりして盛り上がる。ぼくも前に出てギターを弾きながら腰を揺らして一緒に踊った。
まったく思わずここが礼拝堂であることを忘れてやってしまった、まさにやったもん勝ちなライブであった。

終演後半分「やっちゃったなぁ」という気分でいたら、ある男性職員から「こんな開放的な礼拝初めてでした」と喜んでもらえて、「やって良かったなぁ」と安心した。

今回施設初の試みでぼくらに声をかけてくれたI井さん、ありがとうございました。
そして、ぼくらを迎えてくれたエリザベスサンダースホームのみなさん、本当にお世話になりました。
子どもたちの誰かの記憶に、この日のソウブラのライブが残ってくれたら最高にうれしい。

まだ夕方6時だというのにすっかり暗く人気もまばらな(やっているのはコンビニくらい。これはこれで風情があって良いけれど、1件くらい飲み屋があっても良さそうな…)大磯駅から、電車組の3名は藤沢まで出て、やっとクリスマスイブの居酒屋に腰を落ち着けて杯を傾けたのでした。お疲れさんでした!今年のライブもいよいよあと1回…。

今宵のBGMは、アイルランドが誇る初期パンクバンド(結成は1975年!)、ラジエーターズ・フロム・スペースの2006年発表の「トラブル・プリグリム」。パンクらしいシンプルさとポップなメロディーがたまりません。
そしてなにより、ポーグスのギタリストでもあるフィリップ・シェヴロンの少し切ない声と、ジョーストラマーばりの嵐のギターカッティングが最高の逸品。
何と今年新作も出たそうで、年末買いたい数あるCDの中から、ぼくはラジエーターズの新作をアマゾンで注文しました!

今宵のBGドリンクはトマトジュース。明日仕事仲間との忘年会なので、一応今夜は締めのハイボールを控えております(えらい!)。明日は心から皆の労をねぎらい飲むぞ~!


ソウブラエリザベスサンダースホーム礼拝堂ライブセットリスト
①新しい日々
②上を向いて歩こう
③廃炉!
④ぼくがここに(詩まどみちお)
⑤光る水
⑥解放の歌
⑦きよしこの夜(パンクバージョン)

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