周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ289 

2012/12/22
Sat. 23:27

冬至だった昨夜(22日)は、久しぶりによみうりランド丘の湯に、今年もひどくなってきたしもやけの湯治を兼ねて入りに行く。

この日はもちろんゆず湯であった。
しもやけの患部にじんわり沁みるのが何とも心地よく、手指で足指をさすりながら長いこと入る(トータル1時間くらい)。おかげでだいぶ楽になった。
大げさでなく、私の人生から風呂を取ってしまったら、実に寂しくつまらないものになる。酒と音楽と風呂はぼくにとってなくてはならぬ三種の神器だとあらためて思う。

風呂から帰り、ホワイトハイボールと最近はまっている生協の薄焼き醤油せんべいをお供に、借りていたDVD「ミステリー・トレイン」(1989年ジム・ジャームッシュ監督)を観る。
翌日ライブのない週末の夜は、飲み屋に行かなければたいていDVDで借りた映画を観ている。お盆と年末年始の休みの時は、たくさん観貯めするのがいつも楽しみ。

「ミステリー・トレイン」は20代の時に一度VHS時代に借りて観た。
何と言ってもこの作品には、ぼくの大好きな元クラッシュのジョー・ストラマーが役者として出演して話題になったので(日本から若い永瀬正敏と工藤夕貴が出演して話題にもなった)、当時のぼくはパンク役者ジョー・ストラマーにすごく期待して観たのだったが、その大根な演技とちょっと情けない酔っぱらいの役柄にがっかりして、内容も良く思い出せないほど適当に流し観てしまったので、いつかもう一度ちゃんと観たいと思っていたのだった。

果たして、20年ぶりくらいに観た「ミステリー・トレイン」は実に素晴らしかった。

まず、横浜から憧れのエルビスプレスリーの故郷であるメンフィスにやって来たカップル役の永瀬正敏と工藤夕貴が若く初々しくて、特にぼくとほぼ同じ年の工藤夕貴が、当時の若い女の娘をとっても可愛いく好演しているのが新鮮だった。何やら20年前の日本の若い女性がすごく純朴そうに(恰好は派手でも)見えて、懐かしくなってキュンとしてしまった。

メンフィスの街と安宿(フロント役はなんと、スクリーミング・ジェイ・ホーキンス!)を舞台に、同じ一晩に起きる3つのストーリーが微妙に交錯して行くこの映画、こんなに味がある展開だったかとまったく目からウロコで、せんべいかじりながら早々と画面に釘付けになる。

そして、3つ目最後のストーリーの主役としてジョー・ストラマーが登場。
彼は黒髪の白人であることから「エルビス」とあだ名される英国男で、メンフィスではどこかよそ者的な存在。
その彼はこの日仕事をクビにされ、恋人にも逃げられ、やけくそになって飲み屋で酒を浴びるように飲んだあげくに銃を振り回して体よく店を追い出される男という役。

記憶以上にボロボロな役どころだが、この時37歳(ぼくより若い!)のジョーの飲んだくれぶりと、以前は大根だからと思っていた、周囲の役者たちから浮いた彼の存在感が、逆によそ者感と何をしでかすか分からない危うい雰囲気をすごく出していてとっても良いのだ。

そして、店から連れ出してくれた黒人の友人(もう一人白人の気弱な友人も)と深夜営業の酒屋に入った時に、白人の店主から友人が「ニガー」と蔑まれた瞬間にキレて、ジョーはその店主を撃ってしまうというのも、何だか彼らしくてたまらない。
だんだん破滅へと追い詰められる彼らだが、どこかおかしみがあって、安宿に逃げ込み(そこには偶然永瀬&工藤も泊まっている)とにかく夜通しぐでんぐでんにバーボン?大瓶を回し飲みし続けるシーンも良い。

救いや派手な展開があるわけではないけれど、それぞれを乗せた列車が走って行くラストシーン(ジョーたちはオンボロ車)も、ハリウッド的でなくてぼくにとって清々しいエンディングだった。
ジョーストラマーは素晴らしい役者でもあった!

今日(22日)は、そのジョーストラマーの突然の死から10年目の命日。

朝、いつものように他の家族たちが起きた気配の中、眠気まなこでNHKfmのピーターバラカンの「ウィークエンド・サンシャイン」をつけて夢うつつで聴いていたら、ジョーと親交の深かったザ・ポーグスの大名曲「ニューヨークの夢」が流れ出した。バラカン氏は「イギリスではこの曲は新たなクリスマスのスタンダード曲になっている」と言っていたが、ぼくは数あるクリスマスソングの中でこの歌が最高だと思っている。
サンタもイエスも歌詞に一言も出てこないけれど(それが良い)、こんなに切なくて優しくて美しいクリスマスソングは他にない。

ぼくは朝から枕を涙で濡らしてしまった。

今宵のBGMは、ザ・ポーグスの2005年に出た「アルティメイト・ベスト」の2枚目2001年の再結成ライブ。
これからジョーのCDも聴くけれど、やっぱり今日は1日中口ずさんでいた「ニューヨークの夢」を好きなだけ聴いていたい。後年シェインがお母さんとデュエットしたバージョンを聴き、そしてこのライブではメンバーの娘とデュエットしている。どのバージョンも素晴らしいが、やっぱり、力強くもどこか切ない声のカースティ・マッコール(2000年に事故死してしまった)とデュエットしたオリジナルバージョンが一番良い。

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!

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