周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ287 

2012/12/19
Wed. 23:31

今日仕事帰りに、いつもの生田駅から急坂を上り、昭和の雰囲気漂う街灯に照らされた古い住宅街を団地に向かって歩いていると、前方の道路脇にもっこりとふくらんだ生き物がもそもそ動きながらこちらに向かって来る。

とっさに「タヌキだ!」と思ったぼくは、目をこらしながらそのふくらんだ生き物の方に近づいて行った。
一見丸々太った飼い猫のようだが、動きは明らかに猫より鈍くのろい。

顔が識別出来るくらい近づいたら、やはりタヌキであった。

顔の外側は白っぽい毛で覆われて、中心部分は黒っぽくてクリッとした目の、実に可愛いく愛嬌のある姿。
ぼくからすれば、人間に飼い慣らされ着飾った犬や猫よりも、野生のタヌキの姿の方が何倍も愛しく感じてしまう。

ぼくが20年近く住んでいる川崎市多摩区を好きな理由の一つが、何を隠そうこのタヌキの存在。
近隣の道路標識には、タヌキの絵が描かれた“動物注意”の標識もあるこの地域は、近隣の多摩市があのアニメ映画「平成狸合戦ポンポコ」の舞台であり、今も一部に残る里山は昔からのタヌキの住みかなのだ。

団地に住む前に10年近く住んだ、平屋のボロい借家時代には、夜になると良くタヌキが我が家の庭にやって来た。当時小さな庭には、母ちゃんと植えた和紙の原料になる楮(こうぞ)の木や、ニラにミョウガ、セリやハーブ各種が雑然と生い茂っていてそれがとても気に入っていた。
夏は一晩中窓を開け放して、枕を縁台の窓辺に向けて寝ていたので、気配やか細い鳴き声でタヌキが来たのが分かり、母ちゃんと飽きることなく庭でくつろぐ彼らを観察したものだった。
しかし、なぜか茜が生まれてからタヌキは来なくなってしまい(たぶん、しばらく茜の夜泣きがすごかったからだろう)、我が家の子供たちはまだ一度も実物のタヌキを見たことがない(タヌキは基本的に夜行性)。

昔から日本人には馴染みがあり、愛嬌者のタヌキだが、人間に慣れることはまれであり、飼いタヌキになることはまずない。
それでも、人間の住む社会からつかず離れず同じ環境下で生き続けてきたタヌキは、いつしか人間が飼い出したペットの保持する病原菌にやられ、開発で山を追われ激減して行った(皮肉なことに、タヌキは新参者の犬猫よりも抵抗力が弱い)。

そんなタヌキが、いつものぼくの通勤路を悠々と歩く姿はどこか感動的ですらあった。

しかも、今日のタヌキは今まで見たどのタヌキより太っていて元気そうで堂々としていた(タヌキは戯画化されているほど、実物は丸々としてはいない)。
ゆっくりすれ違った後、ちょっと歩いてからぼくが立ち止まって振り返ると、なんとタヌキも止まってこちらを振り返って見ていた。
何だか愉快な気持ちになって、そこからすぐ近くの生協寺尾台店に寄って、“麦とホップ”を買って団地に帰った。

タヌキよ、これからも昔と変わらぬ姿で、この昨日トップだった者が今日はビリになって表層だけがコロコロ変わり果て続けてどんどん取り返しのつかなくって行く人間社会を、どんくさく悠々と行き来してほしい。
せめてこの街に残る森と山は残し続けるから…。

今宵のBGMは、エリオット・マーフィーの76年発表の大名盤「ナイト・ライツ」。
シンプルで泣きのメロディーをギターが奏でる名曲満載の、彼の初期の傑作(結局これが彼の早過ぎる全盛期と言う人が居るが、ぼくは今の彼も最高で大好き)。
“彼らには神がいた その名はロックンロール ぼくは英雄の魂を探しているんだ ロックンロールの中に”(ルッキン・フォー・ア・ヒーロー)

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
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