周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ279 

2012/11/28
Wed. 23:46

昨夜は今年最後の大森カフェスペースCの運営委員会であった。

自分の職場もそうだが、スペースCもどうにかこうにか来年の展望を見出しつつ1年を越すことが出来、ホンと何よりである(まだ、完全に安心は出来ないが)。
思えば昨年度作業所の廃止を言われ、地域活動支援センターへの移行条件を交渉しつつ、環境を整えてNPO法人申請と、なかなかめまぐるしい1年だった(春には、こちらがまったく希望していない出所不明な、近隣にある作業所Pとの合併話を持ちかけられたりもした)。

そんなこんなを思い出しつつ、会議の後はお酒も入って早めの忘年会気分に。
その席で運営委員の一人から、今年度から大田区でも自立支援法内事業所を開設した、全国に事業所展開する最近評判の株式会社ウィングルの話が出される。

こういう株式会社が障害者福祉の分野に参入してきたのは、まさに自立支援法の狙う所であり(たぶん一番の狙い)、今まで“既得権益”を守られて来た(と、自立支援法信者は言う)公共もしくは半公共の社会福祉事業者がぬるま湯から出されて競争にさらされ、やがて淘汰されて行くというものだ。

ぼくはこの会社に個人的に何の恨みもないが、その運営委員が、このご時世に当然のこととして「ちょっとビジネスライクだが、旧来の福祉施設のように余計なことはせず(例えば、就労への移行支援事業所ならば、就労訓練のみをやり、余暇活動的なことは一切やらないとか)きちんと仕事をしていて中々よろしい」と言うのには違和感を禁じ得なかった。

意外と公務員ほど、「公的福祉に頼られるのは財政的にもう無理だし困るので、民間企業参入どんどんウエルカム」という感覚の人が多いようで、ぼくにしてみればそれこそ「お気楽な感覚だなぁ」と思うのだ。

踊る阿呆のお祭り騒ぎだった、小泉内閣の郵政民営化騒動を見るまでもなく、民間にさえ任せれば自由競争に鍛えられて仕事の中身が良くなるという安直で手抜きな妄想に、日本人はいまだ懲りていないようだ。
当時「郵便局の窓口は態度が悪い」とか言って民営化に賛同した人も多かったが、そもそも職業倫理の問題は公的機関も民間も同じであって、民営化すれば単純にサービスが良くなるというものではない(一見そう見えるかもしれないが、それは問題の単なるすり替えだ)。
現に、民営化後に明らかに郵便物の誤配や遅配は増えてしまった。

先の株式会社ウィングルは、HPなどで見る限り、会社と契約を結んだ障害者を高確率で就労に結び付けると謳い、我々のような福祉施設より手厚いスタッフ体制を敷いていて(当然、社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格有資格者を置く)、生活保護などの公的福祉を受けながら就労を目指すよりも、ウィングルを利用すれば、障害者一人当たりに支払われる国の支出をうんと抑えることが出来ると宣伝する。
ある意味企業として、この国家財政の危機(と、無駄遣いは是正されずに言われ続けている)に当然のアピールであるが、どうもぼくはまゆに唾つけたくなるし、そもそも福祉に費用対効果を至上原理として持ち込むこと自体が(それを無視することは出来ないが)もはや福祉でないと考えてしまう。

しかもこの会社、早くも新規事業として新たに発達障害児の学習支援塾を立ち上げるという意気軒昂ぶり。
これは自立支援法の下で事業をするものの典型的な状態とも言える。つまり自立支援法下では、TPPなんかにも通じるけれど、拡大して行く商売にのみまったくフリーハンドとなり、その手は朽ち果てるまで半永久的に伸ばし拡げ続けなければならないというスパイラルに陥る。そして、そうなることが生き残るため、つまり勝ち組になるための条件となるのだ。

そしてそれは「人々が欲しているから」という欲望にのみ肯定され、保障され続ける。

そんなことをつらつら考えて、相変わらず何一つ事業を拡げられず文句ばかりを言い続け、あくまでひねくれたネガティヴキャンペーンを展開し続ける、畢竟五十嵐正史、43歳働き盛りの初冬であった。

今宵のBGMは、スティーヴ・アールの2000年発表の名盤「トランセンデンタル・ブルーズ」。これが彼の作品の中で一番好きかなぁ。
浮遊感漂うタイトル曲やビートルズっぽいナンバーに重たいロケンロール、そして大名曲「ゴールウェイ・ガール」が収録されていてまさにロックの万華鏡的アルバム。昨夜大森レコファンで、対訳付日本盤の中古を見つけたので迷わずGET!(輸入盤で持っているのに)歌詞もやっぱり人生の苦みが効いていて良いなぁ。

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!







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# |  | 2012/11/29 05:41 * edit *

管理人のみ読めるコメントでうれしい文章をいただきました。
思ったことを遠慮せずに、安易な大同団結は決して目指さずに、聞き分け悪く行こうと書き連ねていますが、虚しさ非力さ通じなさを日々痛感させられています。
そんな拙文が少しでもお役に立てているのは本当にうれしい限りです。

五十嵐正史 #- | URL | 2012/11/29 22:43 * edit *

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