周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ225 

2012/07/10
Tue. 23:26

先日8日の、阿佐ヶ谷あるぽらんでの活動写真ライブを無事終えて、何だかやっと京都から“戻って来た”ような気がしている。

京都初日の拾得には、阿佐ヶ谷から勇造さん、伊藤さんとも縁の深い自然食品のお店「結」のネコさんが来てくれて、ぼくがゲストで参加した「伊藤君」を演奏している時に、携帯で写真を撮ってあるぽらんに送り、その夜あるぽらんの常連でそれを観てくれたそうだ。

そんな話をマスターの佐々木さんとして、あるぽらんの控え室で弁士の片岡君と取りとめのない話をしながら準備をすると、あらためて「やっぱりあるぽらんは落ち着くなぁ」と思う(6月にライブしたばかりなのに)。

8月末くらいからアメリカに旅立ち、ミシガン大学で日本学の講師兼研究者となる片岡君の、壮行会を兼ねたこの日のあるぽらんならではの活動写真ライブは、くしくもちょうど45回目のあるぽらんキネマライブであった。

2003年頃から始まったこのあるぽらんキネマは、当時まだ新人だった片岡君(ぜんぜん新人っぽくなかったけれど)以外にも何人かの弁士による定期上映会ライブとしてスタートしたが、この30回くらいは、片岡君の専売特許ライブとなり、あるぽらんの活動写真ライブと言えば“片岡一郎”ですっかり定着している。

ぼくも何回ご一緒させてもらったか忘れてしまったが、もう5年近く彼の隣でギターを弾かせてもらっている。
最初は無我夢中でまったく、弁士の呼吸を聞く余裕など無かったが、やっとここ最近片岡君のしゃべる呼吸を意識してギターを少し弾けるようになって来た。そうなると、断然バンドのライブとは違うスリリングとおもしろさ、快感を感じるようになる。

特に今回の上映作品3本は、実に絶妙なラインナップであった。
ドタバタ喜劇のアメリカ映画(バスター・キートンとデブ&やせコンビのローレル&ハーディ)で、80年以上前の役者達の身体能力の高さに驚嘆し、時台風俗に惹かれつつ笑い楽しみ、休憩を挟んだ後半では、日本のスーパースター大河内伝次郎主演の「お誂え治郎吉格子」(昭和6年)で、当時の日本映画の映像美、技術に感動しながら、伝次郎扮する治郎吉と美しい女二人との悲恋の三又関係に酔いしれる。

ラストで大泥棒治郎吉が、膨れ上がる御用提灯に追い詰められ、身代わりとなって川に飛び込む女によって危機一髪逃れるシーンは、弾いていて感情がグングン入って行った。
映像だけ観ながら、家でギターを付けているのと、隣で弁士がそれこそ全身で語っているのを聴きながら弾くのとではまったく別物。無声映画とは、弁士の語りで映画に命が吹き込まれるという、実に稀有な日本独自の素晴らしい大衆文化だ。

お客さんたちにも満足して帰っていただけたようで、終演後の打ち上げの酒は美味かった(ぼくは上映中も持参の白ワインをチビリチビリ)。
そこで片岡君に、治郎吉に登場する二人の女(一人は強欲な兄によって遊女にされてしまったが、治郎吉と出会い一途な恋を知り、最後は治郎吉を救うべく川に飛び込むお仙。もう一人は、治郎吉がお仙が居ながら一目ぼれしてしまう、かつて自分が泥棒に入った旗本に仕えていた侍の娘で、治郎吉のせいで没落して貧しく暮らすお喜乃)の、お仙の方が今日は何だか良い女に見えたなぁと言ったら、「だって五十嵐さんが、お仙の方に断然力入れてギター弾いてたからですよ」と言われて、「なるほど!」とガッテンしてしまった。

良いのか悪いのか、楽士のスケベ心まで作品の雰囲気に影響を及ぼしてしまう無声映画ライブのこれも醍醐味か!?
なにより、あるぽらんでこそ許される無手勝流の音楽を、懐深く受け止めて語り尽くす片岡一郎師匠にありがとう!

恒例の映画前に歌う1曲は、ギリギリまで京都で歌って来た「Yさんの背中」にするつもりだったけど、客席に江上さんが居るのを見つけて、江上さんが好きな歌「古い河」を弾き語りで歌った。

今宵のBGMは、ジェイ・ファーラーの2004年に地味に輸入盤のみ(しかもタワーレコードのオルタナカントリーコーナーに、ちょこっとだけ置かれた)発売されたソロライブCD「ライブ・イン・シアトル」。
けだるく泥臭く太いジェイの声と、アコギと2本のスティールギターという編成が渋いのにどこか不穏で過激に聴こえる逸品。この人と、この人が率いるバンド“サン・ヴォルト”は同世代のミュージシャン(ぼくより3才くらい上)の中で一番好き。

BG酒はホワイト・ハイボールでした。ではまた、ロケンロール!

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この記事に対するコメント

【ギャラリー更新!】

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五十嵐さん、みなさま、お疲れ様です!
拾得の、ソウブラ出演シーンのみを切り出して、
ギャラリーサイトにアップしました

遠景固定カメラですし、画質も粗いですが、雰囲気は素敵です!
実際のビデオははっきりといろいろと撮れていますので、
それはまた東村山で上映いたしましょう!

http://sbrspilits.jimdo.com/



ギャラリー



2012/06 拾得

で、みられます!

大橋 #- | URL | 2012/07/11 22:51 * edit *

大橋さん、ありがとー!!
あぁ、あの夜がよみがえる~!
けっこうちゃんと歌ってたね、俺(笑)。

五十嵐正史 #- | URL | 2012/07/11 23:29 * edit *

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