周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ111 

2011/10/23
Sun. 22:30

昨日(22日)は、いつもソウブラ御用達のスタジオヒラポン(15年以上使っている)にて、恒例の5時間練習。

今年11曲目の新曲「残された場所で」をみんなで仕上げる。
いつもそうだが、みんなで音を合わせると何年やっても予想外の新しいサウンドで曲が生まれる。
ライブと違ってまったくプレッシャーのない空間で、ただ信頼出来るメンバーとひたすら酒を飲み音を鳴らし合って毎回あっという間の5時間。

終了後はいつものじんべぇでさらに酒飲み語らう。
タケサンシン山村君は、翌日7:30から団地の自治会の仕事があり、梅ちゃんも朝早くから喫茶店の仕事。
みんな生活を抱え、時に生活を引きずり、それをやり過ごしながら音楽をやり続ける。あるぽらんの佐々木さんが命名してくれたのだが、ソウブラはまさに「生活バンド」。誰のせいでもない、手前の生き方に責任持って、時に穴(ケツ)をまくりながらロケンロールし続ける、思えばタフな奴らの集まりだ。愚痴と泣き言はしょっちゅう言うけどね(笑)。

今日(23日)は、午後からぼくの近所自慢の筆頭に上げたい大好きな場所、「中村正義美術館」の今年秋期の「中村正義 色彩の世界展」を家族で観に行く。

小田急線沿いの津久井道からよみうりランドへ上ってゆく途中の細道を入り、畑の残る集落を奥に行くと(地名も地形通り麻生区細山と言う)、自然に囲まれた小さな白い美術館がある。
中庭は陶器のオブジェと共にくつろげるちょっとした広場になっていて、子どもたちが存分に遊べる空間。

いつものように、美術館の館長で中村正義氏の娘さんである中村倫子さんに迎えられ入館する。
元々住まい兼アトリエだったところをそのまま美術館にしているので、回ればすぐに観終わってしまう空間だが、ぼくはここほどくつろげる絵のある空間を知らない。狭いと思ったことは一度も無い。
逆にいつもここに来る度にゆったり過ごし、体全体で何度も深い呼吸をしながら絵を見つめる。

当初は日本画家として出発し、日展の常連となり審査員まで務めたものの、その権力機構と閉鎖性に抵抗して日展を脱退し、この場所で生涯自由な己の画道を貫いた中村正義氏。ぼくは氏の生き方に強く共感する者だが、なにより氏の絵が大好きなのだ。

初期の茶や緑を使った淡いタッチの風景画(作品の多くが出身地の名古屋を描いている)には、まるで生活臭がしてくるようなリアルさと、はかなさがある。ことにこの人の描く風景の中の太陽はすばらしく、夕日などはその色が直接琴線に触れてきて思わず泣きそうになってしまう。

日展を脱退して以降は一転、原色を大胆に使い、極端にデフォルメされた人物画が多くなるが、不思議とそのデフォルメされた人物は、いつもぼくに実在の人物を思い起こさせる。その時望むとも望まなくとも自分の心に引っかかっている人物の顔に、中村正義氏の人物画(特に膨大な“顔”シリーズ)は見えてくる。
すると、時に苦痛を伴っていた心に引っかかっているその人のことが、その絵を観ている時だけ、なぜか愛おしい存在にさえ思えて来るのだ。その時胸に去来するのが、「生の絶対的な肯定」という言葉。そう、中村正義氏の絵にはすべて、そんなきれいごとではない命が、生き生きと宿っている。

母ちゃんが絵描きでもあったので、ぼくもわりと若い頃から著名な人を含めて絵は多く観て来た。けれど、ぼくにとって中村正義氏の絵ほど、ぼくの心を満たし、なぐさめ、励まし豊かにしてくれるものはない。

氏の絵は独創的で、挑戦的、時に派手であるが、決してドギツクない。超人的なスケールの作品でさえ、一人の人間が精魂込めて描いた常人の人肌に包まれている。人は確かに魂を爆発させて表現をするのかもしれないが、その火薬はあくまで日々の普通の暮らしの中で込められて行くもの。
そんなぼくの表現者としての信条に、中村正義氏の作品とこの地域の生活の風景に溶け込んでいる美術館の在り方は、15年前に初めて母ちゃんと訪れた日からドンピシャなのだ。

思えばまだハイハイしか出来なかった茜が館内を這い回ったり、産まれたばかりの葉生を館長さんに抱っこしてもらったり、今日は波留がゴキゲンでうるさくしてしまったり(茜はもういっぱしの中村正義評論家だ)、この美術館との付き合いはまさに我が家の歴史であり、暮らしを豊かにしてくれている大切な存在である。

実は、現在中村正義氏の娘である館長さんを主役にした、「父をめぐる旅」というドキュメンタリー映画が製作中。完成が楽しみである(我が家も製作協力会員にさせてもらった。詳しくは「父をめぐる旅-異彩の日本画家・中村正義の生涯-」公式サイト参照)。

ここに映画製作パンフに寄せられた館長の倫子さんの言葉を紹介したい。
“人にはなかなか理解されませんでしたが、いつも父は「当たりまえのことを、当たりまえに言おう」と言っていました。”
倫子さんが作ったこの美術館は、まさにその言葉を体現している。きっと映画もそんな作品になるだろうと思う。

今宵のBGMはスティーヴ・アールの2000年発表の「トランスセンデンタル・ブルーズ」。一日中このアルバム収録の「ゴールウェイ・ガール」が頭から離れない。アイリッシュな最高のメロディーとどこかナンセンスで男心を捉えたラブソング。男はいつまでも、たとえ一時限りでも思い描く最高の女性と有り得ないような運命的な偶然の出会いをし、素敵な時間を過ごすことを夢見ている生き物(その女性が一人とは限らないのもまた人生の真実か)。これ、なんとか意訳出来ないかなぁ。

BG酒はホワイトハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
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この記事に対するコメント

久しぶりのスタジオ練習、ものすごく楽しかったですね!
5時間があっという間に過ぎてしまった気がします。
新曲の2フィンガーもさすが!でした。
あるぽらんライブ、楽しみにしています。
そして、ライブ後のお酒も楽しみにしています!!!

うめだゆかり #- | URL | 2011/10/25 17:26 * edit *

梅ちゃん、ライブスケジュール更新サンクス!
俺のツーフィンガー奏法に「3本使えばもっと楽じゃないの?」と突っ込まないところはさすがソウルシスター(笑)。
30日は師匠と良いライブして良い酒飲もう。
今年の健診の結果γGTPは、なんとたったの80!
まだまだNO休肝日で行けるぜ~!よろしく哀愁!!

五十嵐正史 #- | URL | 2011/10/26 23:39 * edit *

>今年の健診の結果γGTPは、なんとたったの80!
>まだまだNO休肝日で行けるぜ~!よろしく哀愁!!

やれやれ…困った人だ。(笑)

さくら #T/baKjHk | URL | 2011/10/27 00:12 * edit *

さくらさん、やっぱり(笑)。
ハイ、困ったちゃんです。

五十嵐正史 #- | URL | 2011/10/29 01:22 * edit *

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