周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ817 

2017/08/01
Tue. 23:12

日曜の夜から毎晩小一時間、枕元で久しぶりに定本竹内浩三全集「戦死やあはれ」を読んでいる。

資料も満載のこの豪華本には、彼の直筆の丸っこい文字で書かれた原本写真や、特に中学時代(現代の中学~高校生)に多く書かれたイラストマンガを観ることが出来て、仕事でささくれ立った心を癒す。何べん学校側から禁止されても、果ては柔道教師宅に預けられてしまっても彼はこっそり、でも結局大っぴらに自由な表現を止めなかった。
けれど、それでも彼の文字は尖ることなく、ヘタウマな絵はどこまでもほんわかと茶目っ気たっぷりで読む者を和ませる。彼は自分をどうにも浮いてしまう不適応者と自覚していたが、そこに歪んだ自己愛や絶望的なまでに他罰的な自尊心は欠片もない。そのことにぼくはあらためて感動すると共に、辺見庸氏が今年の講演会で語ったという言葉を想起した。それは“最も低い視線から世界を眺める”“無用、役立たずの視点”“生活のリアルな現場から世界を見上げる。それが最も正確な世界の見方”といった言葉だ。

ぼくが3年前に、竹内浩三詩に曲をつけた歌ばかりを収録したアルバム「ひたぶるにただ」を作った一番の動機は、竹内のそんな“無用、役立たずの視点”こそが、秘密保護法が強行採決され第二次安倍内閣の暴走が牙をむき出したその時に、ぼくにとってもっとも有効かつ決してつぶされない抵抗の姿勢であり、暴走し続ける世界を本当にひっくり返す手段と確信したからだった。
それから3年過ぎたが今もってその確信は変わらない。
けれども、久しぶりにゆっくり読む竹内浩三の絵や言葉たちは何だか救いのようである。尖った神経とわずかの余裕もない(と自分で思い込んでいる)病んだ心に対して、毎日ギリギリと寛容ばかりを迫られる日々に(それでも世界は寛容であるべきと思いつつ)、72年前わずか23歳で国家の愚かな蛮行である戦争で殺された男の世界を見、描く姿勢が救いなのだ。それでも人間をきらいになってはいけないと、彼の丸っこい字と風景が匂って来そうな絵たちがもう彼よりずいぶん歳取ったぼくに優しく語りかけるのだ。

つい先日、そんな竹内浩三の絵とは真逆の、精密に描かれてはいるが観る者の神経を波立たせ美しいというより、どこか「壊れている」と思わせる絵を観た。それは、相模原事件の植松被告が神奈川新聞社に送って来た手紙に同封されていた鯉の滝登りの精密画であった。

今夜も竹内浩三全集の頁を繰りながら、明日を迎えよう。
8月5日(土)新大久保アールズアートコートでの憲法フォークジャンボリーで竹内浩三詩を3曲歌います。
出番は13:15~前売り券1000円当日1200円です。ぜひぜひお運び下さい!

今宵のBGMはスティーヴ・アールの2009年発表の「タウンズ」。
BGドリンクはレモンアロマオイルを垂らした水でした。ではまた、ロケンロール!
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