周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ814 

2017/07/24
Mon. 23:16

昨日(7月23日付)の東京新聞朝刊一面に、昨年7月26日に起きた相模原障害者殺傷事件の被告植松聖から届いた3通の手紙の内容が手紙の実物写真と共に報じられていた。

植松被告からの手紙は、東京新聞記者が出した手紙への返信という形式とのことだが、内容を伝える記事を読む限り実に非道な中身である。つまり、彼が拘置された今も「意思疎通がとれない人間(障害者等)を安楽死させるべきだ」という考えに変化なく、また「私の考えるおおまかな幸せとは“お金”と“時間”」「重度・重複障害者を育てることが、莫大なお金と時間を失うことにつながります」と主張する点である。しかし、かつて自分が職員として介助もしていた19人の障害者をためらうことなく刺殺した人間が、たやすく回心、反省するはずもない。したふりをしないだけ彼はまだ正直なのかもしれない。実際48年生きて来て、25年精神障害者と関わる仕事を続けて来たぼくの実感として、人間がその志向、思考、嗜好を変えることの困難さ、それこそ本音では「変わる」のは自分の方ではないと思っている人がほとんどであり、中には自分を「変える」くらいなら死んだ方がましとさえ思っているのではないかという人も居る(自分も含めて)。もちろん変われば良いというものでもない。とりつかれた様に「変わらなきゃ」といつまでも自分に確信(持てなくても良いと思うのだが)持てずにさまよう人も居る。しかし、そんな人も含めて命は命でしかなく、変わらない自分の志向、思考、嗜好の下に他者の命を奪うことは決して許されない。他者の志向、思考、嗜好と自分のそれにまみれて格闘しながら、それでも彼も我も命を生きるしかない現実を受け止めて行く以外にない。志向、思考、嗜好にそもそもそんな世界を牛耳導き制服する力などないのだ。あるとすればいやがうえにも身につけざるを得ない許容力、もしくは理解力だろうか?

実物大ではないので手書きの手紙の文面まで判読出来ないが、封筒に納まっていた縦書きの便箋の整った手書きの字体を見る限り、昨今の若者いやぼくの世代も含めて今時これほど手書きの手紙を書ける人はそういないのではないかという、ある種の「まともさ」を感じる。事件直後に最首悟氏が語っていたように彼はやはり「正気」であったのだ。そして、これは手前みそになるが、今回彼が手紙で幸せの定義を「お金と時間」と書いたことを読み、やはり彼はこの社会が急速に突き進んできた成果主義と効率優先が生んだ人間であったという確信だ。彼はおそらくその流れの主流には居られなかった。そして、当然の如く「福祉の現場」に流れて来た。なぜなら、ぼく自身が意図的にその社会の流れを避けて「福祉の現場」に流れた人間だから。
しかし、彼が辿り着いた福祉の現場はもはや、成果主義と効率優先社会におけるアジール、カウンターの場ではなかった。ヒトラーなど知らなかった彼をして優生思想に走らせる現場であったのだ。

東京新聞一面の記事は、植松被告の手紙に対する熊谷晋一郎氏と海老原宏美氏の真摯な反論が掲載され胸を打つが、どこかやりきれない虚しさもぼくは感じてしまう。それはどうにも彼(植松)には届かないという類の虚しさだが、ぼくはそれでもこのような記事と対話を延々と続けて行くしかないだろうと思う。そのために彼(植松)は生涯塀の中だろうと生きなければならぬ。生きて手前の行為と思想が全くもって誤りであり、その行為と思想はこの世界で全くクソの役にも立たない通用しないものであることを自覚しなければならぬ。彼にとってそれこそが、手前が一切通用しない許されないということを知ることこそが最も苦痛で受け入れ難い現実だろうと思うから。その為にぼくらはやはりこの世界をやり直さなければいけないのだろう。記事は社会が問われていると書くが、「お金と時間」を至上とする世界を変えなければならない一人一人が問われているはず。安倍を倒すにしてもその視点から倒さなければ、また似たような奴、政党、官僚、組織、自警団的衆に牛耳られるだけだ。

今宵のBGMは、マディ・ウォーターズの「ザ・リアル・フォーク・ブルーズ」。思いきりエレキブルーズがさく裂したりするので全然フォークな感じではないですが、あまりに揺るぎないブルーズ(哀しみ、虚しさ、やるせなさ)がガシッと魂を鷲掴みにする。ブルーズを知って良かった。知らなかったら人生詰まらなかったろうと思うほどに。

BGドリンクはアロマオイルを垂らした冷水でした。ではまた、ロケンロール!
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この記事に対するコメント

腹立つぜ!きっと首相という立場上困ったふりをしてる安倍の思想そのものにちがいないない。
逆に言えば安倍政権ならできる!と容疑者は確信した可能性も充分考えられるよね!
今の日本怖すぎ‼
ご長男元気かい?

あねご #- | URL | 2017/07/26 16:02 * edit *

確かに、彼は「安倍なら分かってくれる」と思っていた(いる)でしょうね。こんな日本にNOと言い続けもう一つの世界を作り続けよう!
息子の心臓カテーテル手術、本日無事成功しました。
順調に行けば金曜日退院です。ありがとう!

五十嵐正史 #- | URL | 2017/07/26 20:21 * edit *

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