周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ788 

2017/05/07
Sun. 23:05

義父宅から5日に帰宅し、翌6日は長女は部活、次女は母ちゃんと眼科に行くついでに美術館で次女の好きな熊のジャッキー原画展を観る。残された父と息子だが、息子に「どこ行きたい?」と聞くと「大学ラーメンが食べたい」という返答。彼の言う大学ラーメンとは、近所にある明治大学生田キャンパス内の学食ラーメンのことで、昨年末登戸研究所資料館のスタンプラリーに参加した際に一緒に食べたら、その360円のシンプルな醤油ラーメンを息子は「世界一美味いラーメン!」と大感激して食べ干し、以来事ある毎に「大学ラーメン食いたい」と言うのであった。

ちょうど登戸研究所資料館ではこの日、5月18日の国際博物館デーにちなんだ企画展「ホンモノの偽札を見てみよう」をやっており、しかもこの日だけは1日3回山田朗館長の解説会もあると言うので、駆け込みで初回11:00の解説会を予約して終了後学食ラーメンを食う約束を息子と交わして男2人で出かけた。

「ホンモノの偽札を見てみよう」という何とも人を食ったようなタイトルの企画展は、実際戦争当時登戸研究所第3科が担っていた中国大陸にばら撒くための中国紙幣の偽札作り(第1科は風船爆弾の開発、第2科は生物、毒物、スパイ兵器開発を担った)で、当時ここで作られた言わば本物の偽札(ほとんどが敗戦時証拠隠滅の為廃棄されたが、何と古書店に出回っていたのを登戸研究所資料館で手に入れた)をこの期間公開するというもの。開館以来、この研究所資料館は本当に貴重な史料を生かした面白い企画展を次々に打ち出している。

ぼくらが申し込んだ11:00の回は25名定員満員となり、それでも当日直接来館して申し込む人が何人もいて学芸員の方が対応に追われる盛況ぶり。参加者はこの回も確かに年配の方が多いけれど、若い人も居るしぼくら以外にも親子連れがもう一組居た。一般市民が暮らしの中で戦争の加害者にされて行く歴史の事実を明らかにし、それを仕組んだ国や国体の欺瞞を晒すこの資料館にこれだけ人々の関心が持続していることを微力でも関わっている自分としては、とてもうれしく心強く感じる。直接行動に参加したり政治的な力を志向すること以上にぼくはこういう場所で学び得たことを、自分の日常、日々の暮らしに溶かし込んで行く作業に意義と本当の力と成り得る可能性を感じている。

これまで何度も聴いている山田館長の話だけれど、本当に話が上手で面白くグイグイと引き込まれてしまう(もう一人の保存の会代表である渡辺先生もまた然り)。特に山田館長はその朴訥で柔らかな話しぶりの中に時折強烈な皮肉が込められており、思わず笑ってしまいながら館長の根柢にあるぶれない反権力、反戦争国家思想を強く感じて思わず胸が熱くなってくる。それはアジ演説や見栄えだけを良くした薄っぺらな繰り返しのスローガン、政治家が唱える題目やコロコロぶれ変わるマニュフェストの類とは言霊の在り方がそもそも違っている。この人は本気で根底からこの国の仕組みと在り方を変えようと、どんな相手にも伝えるために言葉を放っている。ぼくはそんな風にいつも感じて感動し、自分もまたそんな言葉を放って行きたいと希望するのだ。

実際に中国で使えるようになるまでに1年を要した偽札作りは、結局それで中国経済を混乱させるには至らず、その偽札を使って中国で物資を調達したり、中国に派兵された日本軍人の給料!として支給されたという。
また、その偽札を使って上海で日本軍の依頼により貿易をしていた商社のドンがあの児玉誉士夫であり、彼は敗戦後その登戸研究所で造られた偽札で儲けた巨額の金を日本に持ち帰り、その金が後に鳩山一郎(由紀夫と邦夫は孫)が保守合同により自由民主党を結党する際の資金になった。この一点からも戦後日本は戦前から本当の意味で切れてはいなかった。反省など連中は1ミリもしていない。そんな奴らが日本国憲法を、特に9条を本気で実現しようとするわけがない。沖縄を切り捨て今また踏みにじって何ら恥じることなく平然としていられるのは、ずっとずっと連綿とこの腐れた大和魂が生き続けているからなのだ。

最前列の方で大きく頷きながら館長の話を聞いていると、30分を経過した辺りからいよいよ息子が手持無沙汰になったらしくもじもじし出し、45分を過ぎると屈伸するような動きを見せその場に座り込むのじゃないかとぼくはヒヤヒヤして来た。館長の話に夢中になってグイグイ前に出て行ってしまったぼくは、いつものことであるが息子のことなどすっかり忘れていた。
館長の話が一応終わって質疑応答の時間になったのを見計らって、息子を連れて後方に下がる。本当は館長に聞きたいことが山ほどあったが息子の限界を察知してそそくさとアンケートを記入して、朗読劇でいつもお世話になっている学芸員のTさんに渡して資料館を出た。結局賞味1時間25人の大人に交じって館長の話を立って聴き続けた息子は、開口一番「こんなに長い時間立ちっぱなしで人の話聴いたの生まれて初めてだよ。もう足の筋肉パンパン」だって。

そしてようやくありついた彼にとって世界一美味い明治大学生田キャンパス麺類専門学食の360円ラーメンを、実に美味そうに食べながらすっかりゴキゲンになって「やっぱ超うめ~!」と食堂内に響く少年の声で言うのであった。父もまた同じラーメンを食いながら美味いと思った。もう父は油っぽいラーメンはすぐに胸やけがしてしまい食べられない。昔ながらのあっさり醤油が一番ですな。それか野菜タンメン、もしくは野菜たっぷりの味噌ラーメンかな。

今さらですが、登戸研究所資料館は見学無料。館長の解説会ももち無料。年に数回やる大行動での講演会も無料。解説付き見学会も要予約ですが無料。自分としてはこのGWを、家計にやさしくなおかつ充実文句なしで過ごせた。そう、過ごせるのだ。つまらぬものに金を使わされて落としてなるものか。我が家はそんなものに利用されないぞ。

今宵のBGMは、ピーターバラカン氏のバラカンビート録音音源。
BGドリンクはトマトジュースでした。今夜はこれから沖縄の親友Aが送ってくれた4月26日付の琉球新報(国が県民の反対を無視して辺野古の護岸工事を強行着工した翌日の新聞)をゆっくり読みます。同封の手紙に書いてあった“世の中で小さいことほど大事だと思う”という言葉に、遠く離れた場所で同じ気持ちで同世代の親友が日々を生きていることの心強さ、確かさ(これ、大集団や組織、精巧なハリボテ相手には感じません。感じたとしたらそれは嘘だと思う)を感じ、また明日から始まる嵐のような日常をまだやって行けそうな気持ちにさせてもらった。いつもありがとう!お互いそれぞれの小さな場所でロケンロール!
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