周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ごくごくまれに、酒当たりとしか言いようのないひどい二日酔いに見舞われることがある。

18日の朝がまさにそれとなり、前夜遅くまで久しぶりに同業者(元無認可共同作業所職員)の、しかも今では本当にわずかとなったぼくより年長の先輩たち(ぼくを含めた四人の内二人は還暦を過ぎ、一人はアラ還)と中目黒で二軒ハシゴ酒をして無事帰宅したものの、寝床についてからにわかに具合が悪くなり、翌朝まで40分おきぐらいにトイレで吐き続けた。

18日は両国でのライブがあるからと、ぼくは理性をしっかり作動させてそんなに量は呑まなかったはずだが、この夜の酒宴は久々のこの面子ならではの話に花が咲いたものの、何だか酒が五臓六腑にズシリと来ていつものようにスルスルとは呑み進まなかった。たぶんこの週もいろいろあって疲れていたのだと思う。その疲れはもちろん肉体的な疲れだけではなく、それ(ストレス)はぼくの場合たいてい宿痾でもある胃腸へ出て来る。
「なぜ?」「しまったぁ」と思いながら、成すすべもなく胃液だけになっても収まらぬ吐き気に促されて布団から便所への往復を繰り返し、外が白々と明けて来ると気分はどんどん絶望的になって行った。ライブが出来る身体とはとても思えない。指を突っ込み吐き過ぎて喉は痛いし、弦を張り替えて出かける準備をすることなどとうてい無理であった。それでもともかくこの辛さが時間の経過と共に過ぎ去るのを信じて待った。

吐き気の周期がだんだん長くなり、どうにかギターの弦を張り替え軽く歌ってみるもしんどくてたまらない。胃はすでにからっぽだが食欲は全くない。これから両国まで出かけて2時間ライブをやるのにこのまま何も食わないのではさすがにもつまいと思い、出発時間ギリギリまで回復を待って、ようやく母ちゃんの作った具だくさんの味噌汁を一杯だけ飲むことが出来た。毎日食しているけれど、米と大豆と塩だけで作られた生きた味噌と、人参やキャベツとしめじ等の具が前夜の酒とは全然違う意味で五臓六腑に沁みた。まさにエネルギーが注入された感じがしてようやくにして「ライブやれるかも」という気にさせてくれた。当たり前な話だけれど、こんな時にカップめんや菓子パン等の類は食う気にならないし、たぶんぼくの身体を生き返らせてはくれないだろう。生きた食材を身体にいただくことの大切さをあらためて感じた次第(と言う前に酒を控えなさい!)。

おかげで身体は重いもののギターを背負って、荷物を持って電車に乗り無事に両国フォークロアセンター1階一つ目ギャラリーに行く事が出来た(本当は早めに出かけてフォークロアセンターからそれほど遠くない松尾芭蕉記念館を見学するつもりだった)。
フォークロアセンター主宰の国崎さんに声をかけてもらって、ここ3年ほど続けて江島杉山神社で7月最初の日曜日に開かれる隅田川フォークフェスに出演させてもらっているのだが、神社のほぼ真向かいにある1970年開館の両国フォークロアセンター(かつては2階のセンターでライブをしていたが、現在は階下の元蕎麦屋さんを一つ目ギャラリーとしてそこでやっている)で、ソウブラが初めて単独ライブをさせてもらうことになったのだ。そんなせっかくの初ライブを重い二日酔いでキャンセルなんて、ソウブラバンド史上最大の汚点&恥になるところであった。

この拙ブログで、50年近い両国フォークロアセンターの歴史をまだまだ新参者のぼくなどが書けるはずもないが、初めてここでソロでゲストとして数曲歌わせてもらった7年前から、すぐそばを流れる隅田川の流れのような何か脈々と刻まれて来た(来ている)ものをここで感じる。その刻まれて来た流れにぼくも乗りギターを弾き歌うことがとても心地良い。高田渡さんや友部正人さん、そして我が師豊田勇造さんに中川五郎さん、アメリカンフォークの重鎮デイヴ・ヴァン・ロンク氏にランブリング・ジャック・エリオット氏等々どれだけの人がここに足を運び生ギターを鳴らし肉声を響かせたことだろう。その一音一音がこの建物の壁や梁に沁み込んでいて、それがずっとここで通奏低音となって鳴り続けここで今歌う者と響き合っている気がする。しかし、それだけではない。この場所が両国にあるからこその、ぼくの全く知らない東京東部の古い街の歴史とも響き合っていることも絶対に欠かせない。ここはあくまで両国フォークロアセンターなのだ。

ありがたいことに、この場での初のソウブラライブに10人近くのお客さんが来てくれた。さいたまの江上さんはぼくも最初思ったように、センターと言う名前にどことなく広い場所を想定していたようだがここは生音が良く響く、とてもこじんまりとしたまさにソウブラ向き?の親密空間なのだった。
不思議なもので、ここの場力をいただいたのか家では全然出なかった声が本番では嘘みたいに出た。さすがにハーモニカを吹いている時に空腹からか頭がクラクラしたが、それでも途中から日本酒をもらいながら全く準備出来なかったMCもその場のノリでアドリヴでポンポン出た。数時間前の自分が信じられないくらいある意味絶好調なアタシとなっていた。分からないものである。けれど、ライブとは歌うということはやはり身体に心に良いことなんだと思う。少なくともぼくは歌うことで元気になっている人間であることは間違いない(もちろん無理は出来ませんが)。

良い感じで盛り上がってアンコール含めて16曲歌い切った後は、フォークロアセンター恒例の懇親会(打ち上げ)をお客さん全員参加してその場で開く。
ほとんどが初めてフォークロアセンターに来た人たちで、国崎さんやご近所から観に来てくれたお客さんにフォークロアセンターや、両国の街の話をたくさん聞いた。東京の下町の庶民の歴史は、きっとその街ごとに今はもうない風景と共にありいつの間にか消えてしまった(消された)歴史も多いのだろう(この夜の話を聞いて、ぼくは去年隅田川フォークフェスの古本市で購入した「東京の下層社会」という本のことを思い出し今日から読み出した。この本にもまさに首都近代化の流れに置き去られた人々の姿が描かれている)。これがまた初めて聞く話ばかりで「へぇ~っ!」という感嘆詞が出っ放し。ご用意していただいた美味しい食事と、いつしかぼくはしっかり迎え酒をしながら和やかに談論風発な時間を楽しんだ。しかし、体内電池はとうに切れていたらしく、せっかく国崎さんから渡された出演者メッセージを書く色紙の内容がボロボロ。森田と梅ちゃんに任せれば良かった。国崎さんすいませんでした。そして、ソウブラにこんなステキな場所でライブさせていただき本当にありがとうございました!また夏の隅田川フォークフェスよろしくお願いします。

最後に、ご来場いただいた最高のお客さん達、どうもありがとうでした!!

ソウブラ両国フォークロアセンターライブセットリスト
①2011年3月20日の満月
②この素晴らしくない世界で
③変わらない夜道
④人の世の熱のある場所で
⑤この時代を往く
⑥普通の暮らし
⑦激しい雨が降る (ボブ・ディランのカバー)

⑧ぼくもいくさに征くのだけれど 詩 竹内浩三
⑨日本が見えない 詩 竹内浩三
⑩ヒマラヤ杉は知っている
⑪ないしょの話(母の歌集)
⑫命でしかないビート
⑬ヘルスよしの
⑭ファシスト野郎
⑮ONE GUITAR
~アンコール~
⑯結風
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