周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ769 

2017/03/07
Tue. 22:58

昨年末に引き続き、またも職場で受注しているローカル情報誌のポスティング作業に追われている。

どうにも担い手である利用者不足を解消出来ず、不本意ながら職員が代わりにやらざるを得ないという、昔から作業所と呼ばれた施設が陥る典型的なパターン。まぁまだこっちが残業してまでやるほどではないので何とかやっている。それでも、昨年末は風邪をおして寒風の中配り歩きあやうく肺炎になりかけた(汗かいて仕事して熱を下げようっていう治療法自体が間違っていたのだが)。

この季節は寒さより何より辛いのは花粉である。午前中は面接と事務仕事をやって午後から動ける時間を作り、2時間ほどで400枚配ったが終始鼻水たらしくしゃみを連発しながらであった。
今日配ったのは、職場から東海道新幹線の線路の方向に広がるH嶺町という地域で、先日ここにも書いたかつてお袋が働いていた美装社という製本会社からほど近いところ。なので小走りに黙々とポスティングしながらちょっとしたトリップ状態になって、やはりお袋のことを考えた。おそらくこの辺りも彼女は歩いたに違いない等と思うと、さらにトリップ感は増して行く。

ここら辺の街の特徴と言ったら、やはり大きな昔ながらと最新のお屋敷と古いアパートの混在具合だろうか?割合で行ったら圧倒的にお屋敷の方が多い。環八を挟んで向こう側は天下の田園調布である。
お袋が15歳から22歳まで書いた短歌と俳句の中には、仕事へ行く道すがらのこの辺りのお屋敷の庭の木々や草花が登場する。しかし、お袋はここから海側に降りて行った南六郷という地域のアパートで両親と3人で暮らしていた(2人の兄はすでに独立)。
手作りの歌集には、少なくない数の自分の父親に対して憤る句がある。多少ぼくも聞いていた話だけれど、どうやらお祖父ちゃんはあまり働かず(大工職人であった)、そのくせ頻繁に朝帰りをする遊び人であったらしい。お祖母ちゃんが内職していることや、お袋が働くことで家計を助けている様子も読み取れる。つまり暮らし向きは楽ではなかったのだろう。

陽の当る 坂道の家声も無く 我が世の天下と 猫柳伸び  
                   1967年2月1日 市川悦子(21歳)

ポスティングをしながら、あまりに狭くて壊れそうな急な錆びた階段を気を付けて上り、古びたポストに投函する際に一瞬ここに住んでいる人の暮らし向きを思って同情してしまう。方や、嫌味なほど長い壁伝いを探してやっとポストを見つけるようなお屋敷に対しては正直腹が立つ。この地域はちと貧富の割合がおかしい。日本の現実はもはや貧の割合が遥かに多いはずだが、大田区の山の手なぞはまだまだスカした奴らが多いのだ。そんな毒な感情と共に(屋敷が多いおかげでそのぶんたくさん歩かなければならないことも手伝って)、お袋はこの道をどんな思いで歩いていたのだろうかと考える。おかげ様で息子もここを行き帰りしていた若きお袋と同じ貧乏でござる。今ならアンタと気が合うとしか最近思えないんですよ。ちょっとそこらでお茶して話がしたい気分。いや、政治思想は別にして。

孫から見たお祖父ちゃんは、酒もほとんど呑まず真面目に大森日赤病院の掃除の仕事を続けた時代劇と釣りが大好きな優しい人だった。若い頃に一生分遊んでしまったのだろうか?大好きで相当通っていたという浅草の話をお祖父ちゃんから聞いておきたかった。

そんなトリップ体験した午後の仕事を終え、くたびれた足を引きずって帰宅すると、長女は応援道具を一式そろえて今日から始まるWBCの試合に備えていた。彼女の野球熱はまったくもって冷めやらないようだ。父はプロレス(それからロック)だったが、そうやって何か熱狂出来るものが若いうちにあるのは良い事だなんて母ちゃんに言いながら麦とホップをグビリとやっていると、ふとテレビから音声が途絶えた。壊れたかと思って見やると、ちょうど日本チームが君が代を歌っているところで長女が自分で音を消していたのだった。この歌が大嫌いな両親に気を使ったのか?それとも…等と思いながら今宵の晩酌を大いに楽しんだ。稼ぎ悪くても少なくとも母ちゃんや娘たちを泣かす親父にはなりたくねぇなぁ。

今宵のBGMは、ジョン・フォガティの85年発表のアルバム「センター・フィールド」。ジョン・フォガティの復活作と呼ばれてる逸品。ちょっと80年代っぽい音ではあるが、彼のギターや歌声はいつ聴いても気持ち良い。WBCに盛り上がる娘を見て野球がモチーフのこのアルバムを聴きたくなった。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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