周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ742 

2016/12/14
Wed. 23:18

今日も900枚ポスティングをし、みんなで手分けした(と言ってもほとんど職員であったが)おかげで本日期限ギリギリに無事やり終えた。

昨日は午前と午後に分けて900枚配ったが、今日は午前中は手が空かず午後からの2時間強で一気に900枚を配った。ページ数の多くない広報と言えども900枚となるとかなりの重さ。いざリュックに背負って歩き出したは良いものの、これではアパートの狭い階段を登るのはかなり難儀であると分かり憂鬱になった。

当方がポスティングを担うのは、施設のある環八通り沿いの左右に渡る地域で、先にやった右側は高台の比較的富裕層が多い山の手(芸能人の屋敷もある)で、左側の多摩川方面はここ数年でガンガン高層マンションが建ち出したが、昔は町工場のひしめく庶民の住む地域で、いまだに築50年は優に超えているであろう木造アパートも数多く残っている。
しかも、高層マンションに囲まれるようにしてその隙間にビッシリと今にも崩れ落ちそうなアパートや古い家屋はあり、小道脇道は複雑に入り組み、もはや路地とは呼べない迷宮への入口の様な薄暗い中を、心もとない道しるべの如くある古い石畳を頼りに奥へ奥へと突き進み、やっと昼間でもまったく日の当たらない闇の中に、ひっそりと古い引き戸の脇にある完全に錆び付いたポストをギイと音を立てて開け、社会福祉協議会便りを落として逃げるように去る。そんな場所が云十とこの鵜の木界隈にはある。
以前にも書いたが、鵜の木は死んだお袋が結婚前に働いていた製本屋のあった街。古いアパートの密集する場所にその当時の面影を探すが、感じるのは寂寞ばかり。そして、あまりに無粋に傍若無人に建つ金ぴかセキュリティマンションのいやらしさ(ポスティング出来る集合ポストは、たいていオートロックマンション入り口外の小部屋にある)。かつては、2階建ての木造アパートに陽が当たり、労働者たちが近所の銭湯で汗を流し、時にはぼくが就職した93年頃まであった駅前のピンク映画館にも通ったであろう生活の息吹は、今や無残に隔絶され四方をやっと人が通れるほどの隙間を背の高い新築に囲まれ、陽当たりゼロの湿ったわずかな空間に閉じ込められてしまった。
ポスティング作業を続けながら、ぼくはこのどちらにも住みたくはないと思っていた。時折ホッとするような庶民の生活の匂いや活気を感じる古路地やアパートとも出会うが、今夜夢にまで見そうなのは、石畳の奥底で日中でも玄関前の灯りを灯さなければならない家々だ。おそらく、これらの家々アパートには高齢者が独りで暮らしたりしているのだろうと思う。孤独死が多いというのもさもありなんという思いが胸に去来する。

そんなこの街の暮らしの在り方を見ると、まるで日本という国の今の姿を見せつけられているような気がして来る。格差と生活保守主義と自分の暮らしの安全保障を貪欲に求める(ことの出来る)人たち。
この50年近くの街の大変化(都会の多くの街で共通するだろう)の中で、際立って来たのはそれらばかりなのではないかと訝る。そう考えると、日本人は豊かになったかもしれぬがやはり幸福になったとは言えない。踏みにじりが進み人心は荒廃して便利なものばかりは増えた。そういうことではないか。だからと言ってぼくは、3丁目の夕日の世界を恋焦がれるほどセンチメンタリストではない。
そんなことを考えながら猛然と鵜の木の街を、21~22歳のかつてのお袋が歩き街の息吹を吸っていたであろう鵜の木の街を、47歳のしがない零細施設職員のぼくは駆け抜けた。

名護の浅瀬にはオスプレイが墜落して大破した。踏みにじられているそのいわれなき人々がたくさんたくさん居る。生活圏をこのような危険極まりない殺人兵器が飛び交っていることを、そこに生活があるということを、もっと激しく想像しなければならない。
手前だけという発想を捨てる。子どもでも分かる矜持を一人びとりで持たなけりゃ滅びるね、この国は。

今宵のBGMは、ボブ・ディランの1961年カーネギーチャプターホールでのレアなライブCD。ノーベル賞受賞コメントを読んでさすがディランだなぁと思った。そしてなぜか若い頃の音源を無性に聴きたくなった。この人は結局全くぶれていないことをこの耳で確かめたくて。20歳のディランは、この時すでにフォークでブルーズでロックだった!

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!

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