周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ725 

2016/10/27
Thu. 23:25

今日はお昼過ぎから、利用者2名と共に日比谷野外音楽堂へ「骨格提言」の完全実現を求める10.27大フォーラムに参加した。

「骨格提言」とは、民主党政権時に障害者自立支援法を廃止した後の新法になるはずだった、障害者総合福祉法の基となる提言のことで、2011年に障害当事者と関係者55名による総合福祉部会でまとめられた(この部会は原則公開でぼくも何回か傍聴した)。
しかし、その提言は無残にも反故にされ、制定に参加した一部の親方日の丸福祉関係者の寝返りもあって、今では大多数の福祉関係者に無きモノにされた感すら漂う。ましてや、続々福祉業界に参入して来た株式会社たちは、骨格提言の存在すら知らないだろう。
ぼくはそんな空気を許せないし認めない。そこにはぼくのもっとも嫌う日本人の特性である忘却とあまりに軽薄な変節がドッカリと腰を下ろしている。

そんな空気の中で、毎年「そうではない」としつこくしぶとく声を上げ続ける障害当事者、関係者たちが野音に集うのだ。
午後1時半頃到着した野音は、残念ながら空席が目立ち、ぼくが参加した中では最も参加者が少ないように見えた。けれど、そもそもぼくは数が多くなければ意味がないという現実的政治脳を1㎎も持ち合わせてはおらず、逆に烏合の衆を嫌う。よって、利用者2人と共に中央のステージが良く見える良い席に座り、これまでになく多くのスピーチやアピールに耳を傾けることが出来た。そのせいもあるのか、今日壇上から放たれた多くの言葉がぼくの胸を打ち、生き生きと野音内に響いていた。

特に強く印象に残ったのが、今回の大フォーラムのもう一つのテーマであった、相模原事件に対するスピーチの中の、“報道記者から”と題した東京新聞の田原牧さんという記者の発言だった。
長髪に細身のジーンズといった、ちょっと記者と言うよりロックミュージシャン風の田原さんは朴訥とした口調で、相模原事件のあった日の話を始めた。その時社内に居てテレビニュースで他の記者たちと共に事件を知った田原さんは、同僚たちの反応に強い違和感を覚えたと言う。それは、同僚たちの多くが口々に言った殺された障害者、またはその家族への「かわいそう」といった同情的な言葉や、容疑者に対しての「異常者の仕業」という決めつけに対してだった。田原さんはこの事件が容疑者の確信的行動であり、この容疑者に道徳的なお説教は何の意味も無く通じもしないと思ったという。

その田原さんが事件後すぐに取材に向かったのが、親交のあった最首悟さんの所であり、ぼくも含めた多くの「倫理的な物言いの無意味さと偽善」を痛感していた者たちの胸にストンと落ちた7月30日付の東京新聞「こちら特報部」の記事を書いたのだった。
ぼくは、壇上の田原さんにお礼が言いたい気持ちでいっぱいになりながら話に聞き入った。田原さんは最首さんの語った「命は命でしかない」という言葉に強く感銘を受け、命は人智の及ばないものとあらためて思い知ることで、倫理的な物言いで済ませない所からこの事件についてこれからも書き、解決策を示せなくとも記者として告発し続けて行きたいと発言を結んだ。
ぼくは力いっぱい拍手を送りながら、記事を書いた本人と、それを読み受け止めたぼく自身が全く同じ思いを共有していたことがうれしかった。そこに可能性を感じてならない。

他にもたくさん素晴らしいスピーチがあったが、このフォーラムには決して参加しないだろう優生思想自体をそもそも認めない「骨格提言」の反故に加担し、無きモノにしておきながら事件に関しては「許せない」だの「障害(児)者を絶対守る」などの言説を繰り返す者達の倫理だけは、本当に理解出来ないし許せない。優生思想と同じくらい許せない。いや、それらは結局同じ穴のムジナだ。
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム、ぼくはこれからも参加し続けるつもりだ。

今宵のBGMは、ボブ・ディランの75年発表の大名作「血の轍」。今夜の気分ではこのアルバムがディランの中でのベスト。
とにかく音が良い!アコギの音もピアノも、控えめだけれど鳴っているエレキもとってもシンプルに全員が良い演奏をしていてそれを忠実に録音している。ぼくにとっての理想のサウンドがこのアルバムの音なのです。元々全曲ドラムレスだったのをディランがあまりに地味すぎると思い直して、数曲フルバンド編成で録り直したといういわくつきのアルバム。それでもこのアルバムのトータル感は揺るがない。そして全曲捨て曲なし。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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