周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ724 

2016/10/26
Wed. 23:11

初めてボブ・ディランのレコードを買ったのは高3の秋、初期ベスト盤の「グレイテスト・ヒッツ第1集」で、ジャケットの中にサイケなイラストポスターが入っていて実家の4畳半の部屋の壁に貼っていた(アタシの部屋は今も4畳半で10代の頃と同じようにポスターが壁にベタベタ貼ってある)。

当時は、春日部駅から大宮駅に向かう朝の東武野田線満員電車に乗れなくなり、我が宿痾である過敏性大腸症がこれ以上なく悪化して病院通いの18歳。整腸剤に便を固める薬に安定剤が手放せず、安定剤を時に勝手に多めに飲んではヘロヘロ気分を味わいパンクロックに沈溺していた少年に、ギター1本で手前を表現しきることをじわりじわりと叩き込んでくれた。なので、爆音ハードコア耳の反動もあってか、最初は「風に吹かれて」等の弾き語り曲を好み、2枚目に高田馬場のレコード屋で買った(その店はもうない)サードアルバム「時代は変わる」のラストの曲「哀しい別れ」が、さいたま市の高校を卒業しパンクバンドからも卒業し、ひなびた知多半島の田舎町に引っ込む自分が、これからはギターの弾き語りを誰に聴かれなくても良いから細々と心すり減らすことなく歌って行く宣言のように聴こえ、独り聴き入っていた。

時を経て、22歳の時、いろいろわけあって共産党に入党したものの、一切の観念論を排し新入党教育で科学的社会主義を叩き込まれるうちに反発し出し、代わりに聴き手や世話になった人を裏切ってでも、自分の歌いたい歌を自由に唄いスタイルを変えて行くディランの音楽と在り方に猛烈に惹かれ、その軌跡の全てを追いたくなって、オリジナルアルバムだけでなく膨大な海賊盤にまで給料をはたいて手を出し(後年正式発売されたが、その当時手に入れた客席からの「ユダ!」発言のある猛烈な“ライク・ア・ローリング・ストーン”が入った海賊版ライブCDを震えるほど感動して聴いた)、関連本もむさぼるように読んだ。

ぼくは思春期の初めにビートルズでロックに目覚めその虜になり、ボブ・ディランを社会に対して自分はどういう態度で生きて行くかの道しるべにした(もちろん道しるべはボブ・ディランだけではない。勇造師匠はボブ・ディランと鶴見俊輔さんと歌うが、ぼくはボブ・ディランと加藤周一氏かな)。しかしディランはそれだけでなく、なにより飾らない音楽の素晴らしさと強さを教えてくれた。ディランの歌がなかったらおそらくソウブラサウンドはなかったと思う。そういう意味で勇造師匠が歌うように、ぼくらはディランの子どもであり孫なのだろう。

ノーベル文学賞を受けるとか受けないとか正直ぼくにはどうでも良いと言うか、はぐらかしがまぁディランらしくて面白いなぁと思う。
それよりなにより、自分の人生の節目節目でボブ・ディランの歌が共にあったことと、その歌によって自分なりの突破口を見出した事実は生涯消えることはない(最近では、3.11直後“ライク・ア・ローリング・ストーン”が啓示のように聴こえ意訳にのめり込んだ)。
それにしても、「反体制の旗手」等とろくにディランを聴いたことも無いだろうニュースキャスターに言われる当のディランの最新アルバムが、フランク・シナトラ等のカバーアルバムなのだから(笑)、やっぱりディランは面白い。

今宵のBGMは、ボブ・ディランの目下最新アルバム「フォーリン・エンジェルズ」。ここ最近のライブではスタンダードのカバーが減ってオリジナル中心に戻り、何と数年ぶりにギターもちょろっと弾いたとか。しっかし喰えない爺さんだ。またライブ観たくなる。

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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