周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ710 

2016/09/15
Thu. 22:48

先週から仕事の合間に、相模原市の津久井やまゆり園で起きた19人の障害者の命を奪った殺傷事件「相模原事件」について、個人的な所感と論考を書き出し、今日ようやく書き終えた。

かなりの長文になってしまい、どうしたものかと思ったが、自分の働くNPO法人HPのトップページの文章として載せることにしたので、正式にUPされたらここでも報告したい。
今回ぼくがこの事件について書いたのは、福祉を生業としている人間の現場からの声だ。この間この事件に関するいろんなコメントや声明、論考を読んだが、かつて植松容疑者も生業にしていた福祉従事者からの声が少ないと感じていた。が、なにより彼の障害者抹殺思想が福祉の現場で働く中で醸成されたという一点が、強烈に自分自身に突き付けられた逃れられない現実であり、そのことに何の返答も見解も無しにこの仕事を続けて行くことが許されない気がしたのだ。

そして、植松容疑者について自分なりに調べて行く内に、これまでのコメントや論考があまり触れていない、けれどぼくにはこの事件の核心的問題であるだろうことに気付き、そこを掘り下げて文章を書き上げた。
端的に言うと、彼が働いていた津久井やまゆり園は、2005年前後から急激な変節を遂げていた。それは、障害者自立支援法の流れと一にする経費削減と強硬な民営化、職員の入れ替えとパート化、長年の努力で築いてきた地域との繋がりの希薄化であった。その弊害がもはや隠しようも無くなった2012年の終わりから、彼はやまゆり園でまずは非常勤職員で働き出したのだ。

彼は事件を犯す前に園の入居者にいたずら書きをしたり、暴言を吐いたりしたとのことだが、彼が入職した当時に別の先輩職員が入居者に対して暴力的行為をしているのを彼は見て衝撃を受けていたという。初めて福祉の現場で働き出した若者が受けたであろう衝撃は想像に難くない。凶行に至る歪んだ思想に影響を与えた可能性も否定出来ないだろう。
ぼくは彼の思想と凶行が、障害者自立支援法以降の急激な成果主義と効率優先、競争原理の強制により破壊された障害者福祉によって生み出された面が強いと思っている。
そして、新聞などに載った事件に関する声明の特に、手をつなぐ育成会と自立支援法の導入に積極的であった竹中ナミ氏(あの村木厚子氏の友人でもある)のを読んで感じた強烈な違和感も具体的に書いた。「絶対あなたたち(障害者)を守る」「負のパワーを跳ね返そう」等の情緒的な言葉には、現在の日本の障害者福祉への問題意識の欠片もない。植松容疑者が福祉の現場で凶悪な犯罪を企てたことへの思考が微塵もない。それはつまり、手前たちの中から生まれたものだという意識の無残なまでの欠如だ。

それは一つ障害者福祉の世界にだけ言えることではないだろう。自身を顧み掘り下げる行為の絶望的な欠如。ぼくもまたまったくの非力で流れを押し返すことも施策を打ち出す事も出来ず、ただただ見つめ書き発信し、いつまで持ちこたえられるのか知れない自分の働く小さな場所をのみ何とか維持しているに過ぎない。しかし、この事件のことを考え続け、少数派の側から多数派に向けて発信することに何らかの意義も感じている。障害者自立支援法と親和性の高い優勝劣敗思想を空洞化させるための、ぼくが信ずるこれが唯一の方法だから。

今宵のBGMは、五十嵐正史とソウルブラザーズのニューアルバム「普通の暮らし」デモ音源。
実はさらに1曲増えて、全17曲ほぼ70分!となりました。これからK録音さんにマスタリング依頼のメールを打ちます。
BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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