周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ695 

2016/08/04
Thu. 22:53

今日は職場に久しぶりに区議会議員のNさんから電話があり、この間のことや相模原の事件の事などちょっと長話した。
Nさんは、ぼくらが法の理念に抗して厳しい運営状況の下事業を継続しているのを時折心配して、こうして電話をかけてくれる大田区で唯一の議員である。

相模原事件についてぼくとNさんとで同じ意見であったのが、この事件の根柢には社会の価値観の歪みがあり、それが極端な形で表に出て来たのではないかということ。ぼく個人は、この事件における精神科医療の問題は副次的な事であり、措置入院制度を管理強化の方向にいじくることは全く的外れであると思っている。

それより、このような極端な価値観の歪みを社会が生み出しておきながら、その社会自身でどうすることも出来ずに、結局精神科医療に容疑者を押し付けるがごとく追いやった感がどうしても拭えない。彼は「正気」であったとする7月30日付東京新聞こちら特報部の最首氏の指摘に、ぼくも100%賛同する者だ。

Nさんは、最近にわかに急増した株式会社経営の障害児対象の放課後デイサービス事業所の問題について教えてくれた。ぼくも職場の近所にそういう事業所が出来たことは知っていたが、その実態は知らなかった。Nさんによれば、本来支援者と児童が1対1で送迎することが基本であったのに、株式会社が参入して来て効率化を図り、ワゴン車で養護学校等を回って子どもたちを乗せて送迎する手法に替わって来たとのこと。それが、学校の門の前等に何台もワゴン車を並べて待機する事態にまでなり、Nさんは区に問題提起して是正を求めたという。大勢の障害児を乗せるワゴン車は、その会社の経営する放課後デイサービスを利用する児童が通う学校を複数回るので、長時間車内に置かれてしまう児童も居るそうだ。

ぼくの方からは、昨夜障害当事者の方たちと意見交換した際に教えてもらった、昨年新聞テレビ等を賑わせた悪徳精神科クリニック“榎本クリニック”が、大田区のしかもスペースCのそばに新たに開業したことを伝えた。Nさんも大変驚かれたが、ぼくも話を聞いた時はビックリ仰天した。よりにもよって、生活保護行政との癒着を暴かれ糾弾された当地である大田区に新規開業する神経がまったく理解出来ないし、そもそも開業し続けていることが信じられない。腹立たしいが、要は社会の側の要請がまだあるということなのだろう。昨夜の会合がちょうど大森だったので、教えてもらった場所に帰り寄ってみたら、夜でも不気味にブルーに光るネオンのような看板には確かに「榎本クリニック」とある。ここの売りである、半ば拉致同然に単身生活保護受給者である精神障害者を病院スタッフが連れて行き、強制的に利用させる(金銭管理と称して生活保護費も巻き上げる)デイナイトケアをやっているものと思われる(それで診療報酬を荒稼ぎするのがここのクリニックの儲け方)。

Nさんとそんな情報交換をしながら、こんな価値観が跋扈し主流となるのをうかがっているこの社会では、植松容疑者のような人間が登場したことも起こした事件も「起こるべくして起こった」としか言いようがないと、ぼくはNさんに言ったのだった。
障害を持った人たちをとことん食いものにする仕組み。その機械的な仕組みから外れざるを得ない障害者はそれこそ切り捨てられてしまう。それをやはり同じ成果が出なければ切り捨てられる仕組みの中で「支援」というサービスを売って儲ける支援者と呼ばれる人たち。実直に丁寧にやればやるほど儲けにはならず、評価を下げられる福祉従事者たち(それは福祉従事者だけではないだろう)。
植松容疑者は、そんな福祉従事者たちの生気ない顔を問題に感じていた。それを妄信したあまりに狂った自称解決方法でもって、あまりに余計なお世話の狂った発想でもって凶行に至った。

でも、それは確かな現実でもある。我々の日常の普通の暮らしの風景の中に、もはやその歪んだ価値観は立ち現れている。気付かないでいるかそちら側に沈溺して行くかの違いでしかない。施設が不審者に襲われないように警備会社と契約するとか、防犯カメラを何台も設置するとかまったく見当違いも甚だしい話だ。

昨夜意見交換をした“怒っているぞ!障害者切り捨て!全国ネットワーク”の方たちは、障害と共に自らの生活を自立した意識(当然問題意識も含めて)と意志でもって確立していて、話をしてとても感銘を受けた。特に大田区の障害福祉の現状、問題点については教えてもらうことが実に多かった(先述の榎本クリニック然り)。ぼくは自分の関係する事業所以外の、特に同業他者の集まりや行政の関わる会議等には積極的に不参加を貫いているので、気を付けてはいても浦島太郎になりがちなのだ。

ぼくは話の勢いから、大田区が自治体としてはどうも古い体質で、殊に権威主義であること(権威に弱い)。それを問題視せず、放置したり隠ぺいしたりしながら、やたら「繋がろう」とネットワーク作りに励む傾向があることを言い、そのことの無意味さとそんなネットワークには決して参加しない自分の姿勢をちょっと熱く語ってしまった。そんなぼくの嫌われがちな孤立主義の話を、昨夜のみなさんは否定せず聞いてくれ、同意してくれているのが伝わり、ぼくは何だか力をもらった気がした。

どんどん歪んで行く社会の価値観に対し、ぼくは貧しても生気を失くした顔で働き、暮らし、歌い、生きることを決してしないことでもって一人抗って行こうと思う。それは誰もが一人で抗わなければならない。植松容疑者が一人で歪んだ価値観に囚われて行ったように、一人びとりでテッテ的にそれに対峙し抗して行かなければならない。

今宵のBGMは豊田勇造ファンクラブT会長からいただいたお宝CDの中から、モダンブルーズの父ビッグ・ビル・ブルーンジーの「ファーザー・オブ・ザ・シカゴ・ブルース・ギター」。今年の夏休みは、水浴びしながらブルーズ三昧と行こう。
BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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