周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

「あるぽらんらしいライブだった」店主の佐々木さんにそう言われるのはうれしい。

20年前の夏に、初めて勇造さんの前座としてあるぽらんのステージに上がった初ライブは、生涯忘れることのない最悪のライブだった。ライブ中自分がいったい何をやっているのかさっぱり分からないまま過度の緊張と、目の前に居るお客さん(ほぼ全員が勇造さんのファン)に、自分の歌を届けるという途方もなく困難な作業に初めて直面したような気持ちになって(すでに自分はクリア出来たと思い上がっていたが、その困難な作業は現在も続いている)打ちのめされた。それまでのぼくは自分の選んだ場所(路上と自主企画ライブに仲間内のイベント)でだけ歌っていてそれで良いと思っていた。しかし、ほとんど音響もなかったあるぽらんのステージは、どこよりもちゃんと歌を聴こうとするこちらの腕前を目利き出来るお客さんが当たり前に居るライブであった。

でもぼくらはそんなひどいライブをやっても幸運だった。店主の佐々木さんにその後も声をかけてもらい(その中には忘れ難い面白いイベントもあった)、同じ年の年末にソウブラにとって二人目のプロのうた歌いである南條倖司さんのライブにまた前座として起用してもらえた。「もう勇造さんの時のような失敗は出来ない」当時27歳だったぼくの意気込みと力みは相当だったろうと思う(今思うと自分でも暑苦しい)。それでも2度目のあるぽらんのステージは、自分としてはまぁまぁの出来であった記憶がある(その時のライブ音源を知念良吉さんに直訴の如く手渡してライブに声をかけていただいた)。けれど、そんな自分のステージよりも南條さんのライブは衝撃的で強烈に印象に残ったと同時に、その生き方、生活の在り方と共にある自然体でカッコイイ歌に魅了された。それから7年近く市民農園をやったり、ソウブラが「生活バンド」とまずあるぽらんで言われるようになって行ったのには、南條さんからの影響も少なからずあったはずだ。

そんなある意味ソウブラの恩人でもある南條さんのあるぽらんライブで、20年ぶりに前座させてもらうことにぼくとしては秘かに期するものがあった。でもそれはかつてのようにギラギラしたものではなく、熱い思いがあるほど柔らかく歌いパフォーマンスする方がしっかり伝わることを知った47歳のぼくのそれであった。
南條さんはソウブラのライブを客席から見届けてくれ、最大限の評価の言葉をライブ後のぼくらにかけてくれた。そして、南條さんの素晴らしいライブで応えてくれた。20年前のソウブラには出来なかった互いのライブとライブのコラボが生まれ、一緒にこの夜のあるぽらんライブを創ることが出来たという実感は、ぼくにとって何よりもうれしいことだった。ライブ後、南條さんにお礼と共に「あれから20年やり続けて良かったです」と心からの気持ちを伝えられた。

南條さんの歌は、20年前にも歌った歌も新しい歌も一貫している。変わらぬ南條さんの視座から生まれた自然と共に在る暮らしを愛する思いと、それを脅かすものへのNOが込められている。軽やかでやわらかに、けれど全くぶれずに、そんな歌たちをソウルフル&レゲエのグルーヴに包み込んで歌う。こんな気持ちの良いグルーヴを生み出しながら歌うシンガーをぼくは他に知らない。LOVE&PEACEをこんなに自然に押し付けがましくなく届けてくれるシンガーも他に知らない。ライブの最後は南條さんの同級生でもあるFさんと共にソウブラもステージに呼んでもらい、やはり20年前には出来なかった共演&セッションをぶっつけで3曲やった。南條さんのオリジナル(「おやすみ原発」「いい愛へ」)を南條さんのグルーヴを隣で感じて一緒に音出すのは実に気持ち良かった。

この日は、SaSaさん版画デザインの「負けんばい南阿蘇」福幸手ぬぐい(南阿蘇村復興支援手ぬぐい)先行販売もあって、あるぽらんならではの、実にあるぽらんらしいライブだとぼくも思ったのだ。酒ももちろん美味かった(20年前のあるぽ初ライブで知り合ったSさんとTさん夫妻がこの日も京都!から観に来てくれてうれしかった~!)。
社会が政治に翻弄され、普通の暮らしが脅かされ、良くなる兆しが見えない時ほどぼくはそんなシステムの外で成り立つライブを大切にしたい。それは慰めになるかもしれないし、数とは政治とは無縁の力になるかもしれないと信じるから。

7月16日あるぽらん夏スペシャルライブ ソウブラセットリスト
①ONE GUITAR
②ヘルスよしの
③骨のうたう 詩 竹内浩三
④余計な音
⑤解放の歌

次回ソウブラライブは、24日(日)新宿第21みくに丸さんでの劇団チャリカルキ公演「Vaga音頭(ボンド)」に劇中出演し、3曲歌います!5月15日から全国を回った公演の千秋楽、今回も素晴らしいお芝居です。お時間ある方ぜひお運び下さい!
ご予約は劇団HPか、直接五十嵐に連絡いただけるととてもありがたいです。よろしくです!
15:40開場 16:00開演 1990円 劇は約60分です。
第21みくに丸 新宿区新宿3-12-3 第2藤原ビル3F 丸ノ内線「新宿三丁目駅」より徒歩2分
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この記事に対するコメント

ライブお疲れ様 南條さんのNewアルバムめっちゃいいね。Familyバンドの柔らかく、暖かいサウンドにやられっぱなしの連休でした。

ちきんベース #- | URL | 2016/07/18 22:59 * edit *

良いライブだった~。20年ぶりの南條さんまたご一緒出来て良かったね。
「くらしうた」良いよね~。音もすごく自然で聴きやすくてね。とっても刺激になる。
24日のチャリカルキもよろしくダス。

五十嵐正史 #- | URL | 2016/07/19 23:00 * edit *

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