周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ670 

2016/04/30
Sat. 23:25

昨夜(29日)は、阿佐ヶ谷あるぽらんへ浪速の歌う巨人こと趙博(チョウバク、愛称パギやん)さん&大熊ワタルさんライブの受付けお手伝い&酔客としてライブを存分に楽しむ。

パギさんオリジナルの抵抗の歌と、抵抗の大衆芸能の伝統とが見事に融合した実に観応え聴き応えマンチクリンのパフォーマンスであった。パギさんの隣でドンピシャなクラリネットで色を添え、合いの手を入れた大熊ワタルさんの至芸にも思わず「う~ん、スゴイ!」と唸ってしまった。
パフォーマンスだけでなく軽妙洒脱なMCの中に、チクリと込めた毒にもぼくは大いに共感し、特にご自身も煩わしい思いをしているというSNSについて、そもそもSNSは情報伝達手段であってそこで議論など成立しないという話には全く同感。ゴミだのカスだの死ねだのの短文や吐き捨て言葉で集団を形成して語る正義に、いくら勇気ある行動が前提にあったとしてもぼくは一切共感も賛同もしない。ましてやSNSのやりとりや拡散でこの世界は1ミリも変わりやしない。

ライブが早めに引けた後、あるぽらんのエプロン締めて厨房の手伝いをしてたうめちゃん(似合っとりました)とマスターSaSaさんとSaSaさん行きつけの、隠れ家のようなステキな呑み屋に連れて行ってもらい打ち上げして、美味い酒と洒落た小料理屋(行った事ないけれど)のような美味しい料理をいただく。最高の休日であった。

今日は、先週知った作家辺見庸氏の講演会を聴きに昼から小田原まで出かける。
家から90分で行けるとは言え小田原はちょっとした小旅行。どうしようかなと迷っていたが昨夜のパギさんのライブで勢いが付いた。実際に出かけて行ってその人の肉声を聴き、その立ち居振る舞いを直接目にしたい。ネットで知ったかぶりしたりそこで意見を言う言動様式から自分を離したくてならなかった。かくして出不精男は意気揚々といざ小田原へと一人出かけた。なにより交通費がかかっても入場無料というのもものすごく魅力であった。

果たして、PM2:00から4:00までの予定が5:00まで!になった辺見庸氏の講演会は、これが無料で聴けたことに大感謝感激の素晴らしい力と覚悟をもらえた3時間であった。けれど、この憲法9条について語る講演内容の中で辺見庸氏は一言も「憲法を守ろう!」とか野党共闘を訴えたりなどはしなかった。しつように憲法9条の出自の「やましさ」を問い、平和憲法を自らの心棒として背負って来たつもりが、それはもしかしたら初めから死体を背負っていたのではないか?と何度も聴く者一人びとりに問い、自らに問う。昨年話題になった平和憲法草案作成当時の首相幣原喜重郎が、際限なき軍拡競争を止めるために「世界は一人の狂人を必要としている」という考えに至り、非武装非戦の憲法を自らマッカーサーに提案した事実をもって「憲法はアメリカからの押し付け」伝説を覆したが、幣原の言説を読み込めば主眼はどうも天皇制の存続をマッカーサー元帥に了解してもらうための、取引条件としての平和憲法と言う側面も見えて来る。そもそも国体護持が第一で、ヒューマンで理想主義的な話などでは実はなかったのではないか?と辺見氏は疑問を呈する。

いわゆる憲法9条のおかげで日本は敗戦以来戦争をせず加担もして来なかったと信じ、それを守ろうと言う人たちには水を差されるような話だと思うが、ぼくはこれが現実で実に日本らしいと思う。しかし、だからといって辺見庸氏は平和憲法を変えろとは決して言わない。辺見氏曰く「右だか左だか分からない」連中が昨今言っている、個別的自衛権だけに特化した戦力保持を認める9条改憲論をバッサリ否定し切り捨てる。ヒトラーでさえ自衛の為と言って戦争を始めた歴史を連中は何一つ学んでいないと。
反対に辺見氏は、一言も変えることなく憲法9条を生きている我々が自らの血で贖ってかち取るべきだと言う。もはや何かを損なうことなしに憲法9条を実現すること等あり得ないと。それは経済的繁栄かもしれないし、安全保障かもしれないし、自分の食いぶちかもしれないし、職場での地位、消費生活かもしれない。どちらにしても死文化させられて来たものに命を吹き込む作業とはそういうものだろうと思う。その辺見氏の言葉に、ぼくは100万回シュプレヒコールを唱えたって得られない力と現実を見据える肝の据わりを得た気がした。

2004年に脳出血で倒れ、現在も右半身が不自由な辺見氏は動く左手を力強く振りながら時に原稿に目を落とすも、聴衆を見据えて語り続けた。1部の休憩時に聴者から「滑舌が悪いと指摘されたが、こればかりはどうしようもない」と苦笑していたが、ぼくにはまったく問題なく聴こえたし、逆に一瞬たりとも静かな熱量を逃すことなく辺見庸氏の言葉には言霊が宿っていた。もし、何かが変わり得るとしたらこういう経験を自分の中で血肉化した後以外にあり得ないとあらためて思った。この経験はSNSでは共有出来ない。

まずは3日に、自分がどういう思いを持って地元の小さな憲法集会で歌うのかが定まった。

帰りに家族へのお土産に干物屋を何軒か物色し、狙っていたキズ物のアジの開き6尾入りを310円!で購入し急行新宿行きに乗って帰る。電車賃以外の出費は干物代だけであった。明日の朝食が楽しみ。

今宵のBGMは、豊田勇造ファンクラブT会長から送っていただいた宝箱の中のCDから、オムニバス盤「モダン・ブルースの誕生」。1曲目のフェントン・ロビンソンからラテンブルーズが飛び出し思わず身体が動く。GWはブルーズ三昧で過ごそう。

BG酒はトリスクラシックのハイボールでした。ではまた、ロケンロール!
スポンサーサイト

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://soulbrothers.blog137.fc2.com/tb.php/1023-ca6a866a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2017-10