周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ667 

2016/04/20
Wed. 23:04

ボブディランのライブを観る度にいつも思うのは、ディランが現役で歌っている現在に立ち会えたことの喜び。「あの頃の全盛期が観たかった~」では決してなく、心の底から現在進行形のディラン体験を「あぁ良かった~」と思える。
そんなミュージシャンは、少なくともディランと同じくらいのキャリアを持つ大御所で他に居ないだろう。大御所たちはやたらと再現ライブばかりやっている気がする。

それでも今回のステージは、これまでで一番予測がついたパフォーマンスだった。2年前と変わらぬバンドメンバーと重なるセットリスト、それにシナトラカバー曲が加わり、ピアノを弾きながら歌うかボーカルに専念するかのディラン本人。実際その通りの内容だったのだが、まったく新鮮で1分1秒ステージから目が離せないパフォーマンスだった。終わってみれば2年前と全然違っていた。

もうすぐ75歳になろうというボブディランは、なぜここまで過去に囚われずオリジナルで居られるのか?余韻が覚めやらぬまま今日は折に触れ一日中そのことを考えていた。
昨夜のセットリスト(今回の来日ライブはほぼ毎回同じセットリスト)を振り返って今さらながら驚くのは、彼を世界的に有名にした60年代の歌が21曲中のたった2曲(「シー・ビロングス・トゥー・ミー」とアンコールの「風に吹かれて」)で、70年代の曲も「ブルーニこんがらがって」1曲だけ(かなり歌詞をはしょっていた)であり、その他は90年代末から最近の曲ばかり。もっともシナトラカバーは原曲自体が相当古いものだと思うが、あらためて現役感マンチクリンというか、それしかないボブディランである。

そんなボブディランの在り方すなわちぼくの中ではロックの定義であるから、いまだ現役であってもストーンズとかEクラプトンはぼくにとってはエンタメであるかもしれないがロックではなく、したがって観に行きたいとはこれまでもこれからも全く思わない(カッコイイとは思うけれど)。

それにしてもステージ上のディランはフワフワした摩訶不思議な動きで、徘徊するかのようにウロウロしたかと思うとイントロが終わるギリギリに(時折1テンポ遅れることもある)おもむろにマイクに近付き歌い出すので、観ていてヒヤヒヤする。演奏終わりではガキ刑事(デカ)みたいな常人がやったらダサくて失笑もののポーズをキメてみたり、歩き方が大げさにやるとドリフのひげダンスにもなりそうだし、テイストがすべてなつかしい昭和のコント風でもあってそれがまたグッと来てしまう。もちろん昔はこうではなかったはずだが、97年に観たぼくにとって2回目の来日ライブあたりからこのような奇怪なポーズをするようになったと思う。

個人的には、せっかくの素晴らしいミュージシャンが揃った息の長いバンドメンバー達なのだから、アンコールの2曲(最後の「ラブ・シック」は本当に凄かった)くらいもっと前面に出て来ても良かったのにと思った。
そして、前作「シャドウズ・イン・ザ・ナイト」収録のスタンダードナンバーよりも5月に出るニューアルバム収録のスタンダードナンバーの方がノリが良く、ラテンの風味が効いていてぼくの琴線にビンビン触れてカッコ良かった。またも新たな発見と大きな刺激をもらったライブであった。まだまだ来日してさらなるピークを見せてくれるに違いないと信じさせる説得力があった。ディランはやはりディランであって、他の追随を許さないロックの定義を変え続けるボブディランであった。

終演後偶然一緒の日になったあるぽらんのSaSaさんやソウブラギター森田君、うめちゃん、心の友U君と新宿のしょんべん横丁に流れて呑んだ酒は実に美味かった。誰彼ともなく「ディラン、五十嵐さんの歌やってましたね~」と言い、それが1曲だけでなく数曲に及んでいたことを皆で笑った。ディランの曲は継承するべき伝承曲でもあるのだ。

今宵のBGMは、初めてディランのライブを観た1994年来日ライブの海賊版CDat大阪城ホール。
当然ながら現在と全然違う。ディランギターソロ弾きまくって1曲が長い。けれどこれはこれで良い。選曲も昨夜と1曲しかかぶっていない(「ブルーニこんがらがって」)。本当に転がっているのだなこの人は。ありがとう、ディラン!

BGドリンクはトマトジュースでした。ではまた、ロケンロール!
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