周辺暮らしのロケンロール

関東を中心に活動中のごちゃまぜロックバンド、五十嵐正史とソウルブラザーズの公式ブログ

ロケンロールライフ657 

2016/03/17
Thu. 23:34

昨夜素晴らしい映画を観てしまった!

1日経っても感動と興奮が覚めやらない。今もまだ自分があの映画の中に居るようだ。
さいたまが誇る?我が愛読誌「中南米マガジン」主宰のK安さんに声をかけていただき、今回でまだわずか2度目の下車となる三軒茶屋駅からすぐのオーガニックレストラン「オハナ」さんで、音楽ドキュメンタリー映画「キューバップ」を観たのだ。読んで字のごとし、キューバ音楽と1940年代ニューヨークの地下で生れたジャズであるビーバップをかけた素晴らしい造語。もうこのタイトルだけでぼくの中の「チャチャ、ウー!」魂は震え、何が何でも観なければという気にさせてしまった。

25人くらいは入ったであろうこじんまりとした店内は超満員。個人的にかつて購読していた「なまえのない新聞」が置いてあったり、無農薬食材のこだわりあふれるメニューが並んでいたりと、母ちゃんとよく通ったお茶の水のガイアや、西荻窪の満月堂を思い出して懐かしい感じに浸れた。

そんな店内で、あるぽらんキネマのように巻物状の小型スクリーンで上映されたキューバップは、100分強の時間でぼくをハバナとニューヨークに何度も連れて行ってくれた。それも生活臭と音楽マンチクリンの両都市を。

ネタバレになるので詳細は控えるが、簡単に言うとキューバから移住(要するに亡命)し、ニューヨークで野心に燃えながら成功を夢見つつアンダーグラウンドでバンド活動を続けるピアニスト(ぼくと同世代のような)と、キューバで伝統音楽とジャズを融合させた見事なバンドを率いて活動を続ける監督曰く「世界最高のサックスプレーヤー」が、キューバで対バンライブと共演を果たすまでの道のり(それは本来あり得ない話)を映したドキュメンタリー映画だ。

とにかく冒頭のキューバの日常のシーンと、キューバでは国民的ミュージシャンである先のサックスプレーヤーが普通の親父しながら、自宅のガレージを練習スタジオにしてバンド練習をするシーンでもうしびれまくった。その演奏のすごさとあまりに普段着な姿勢に大共感、大感動しながら「キューバのミュージシャンには誰もかなわない。この国は世界一だ」と嘆息した。そう、この「普段着力」こそキューバのすごさだろう。国民的ミュージシャンが自家用車も無く古びた建物の幼稚園に息子を送る。しかしその古ぼけた幼稚園は無料である。医療費も教育費も無料の国で、自家用車なくてもオンボロな乗合タクシーが市内を常に走り(バンドメンバーはそれに乗って練習にやって来る)、粗末なセットとアンプしかないガレージで何時間も練習を続けるバンド。もちろん費用などかからない。その近くでは少年たちがろくに道具も無い中で野球遊びに興じている。そして夕暮れが古い建物だらけのハバナの街を照らす。ぼくにとって、こんな美しい風景は他に無い。あまり評判の良くない拙歌「みんなで一緒に貧しくなろう」は、まさにこんな生活にみんなでなろうよという歌なのだ!と熱く主張したい衝動にかられる。

その国民的プレーヤーセサル・ロペスは、古道具屋で売られている中古レコード(相当安い感じ)を買って来ては自宅で聴く。聴きながら気持ち良くなって寝てしまう。CDなくたってI何とかなんて無くたって上等、豊かではないか!

どんどん書いてしまいそうなのでこのへんにしておくが、対照的なニューヨークのハーレムで暮らす移住した青年アクセルの日常もこれでまた面白い。アンダーグラウンドなライブハウスの様子もふんだんに描かれて興味深い。アクセルはアクセルで一途に自分の音楽を追及している姿は共感出来る(実はけっこう悪い人でもある)。
しかし、個人的にはニューヨークの摩天楼の下で毎夜鳴らされる無数の野心に満ちた先端音楽溢れる世界(この刺激にハマる人はハマるのだろうな)よりも、どこまでも普段着な、それでいてオリジナリティに溢れどっしり大地に根を張ったキューバの方がぼくには遥かに豊かに思え憧れる。

このキューバとニューヨークを足かけ4年行き来して撮った映画を、監督の高橋さんは300万円で創り上げた。しかも内200万円はクラウドファンティングという寄付で賄ったというからすごい。けれど、何よりこの監督さん自体が映画と同じくらい面白い方で、上映後のトークショーは監督自らばらす制作裏話にみな爆笑であった。
監督が言っていたことの一つに、「あえてこの映画に政治性は持ち込まなかった」というのがあって、ぼくはそれにとても共感しそれがこの映画でとても成功していると思う。なぜならすばらしい音楽とその在り方を通して、キューバとアメリカの現実を観る者にしっかりと焼き付かせるから。社会体制の説明などない分ニュートラルに、特にキューバという国を教えてくれる。

アメリカとの国交正常化で、果たしてキューバは今後どうなって行くのか?でもぼくには、セサル・ロペスや彼のバンドメンバーたちはこれからも変わることなく、けれどさらに上手く深くなりながらキューバップし続けると思えてならない。

4月21日の19:30~渋谷のアップリンクでアンコール上映するというので、拙ブログ読者の方に絶対おススメです。
4月13日にはサントラCDとDVDも発売されるとのこと!DVD買っちゃおうかな。

今宵のBGMは、アタシを初めてラテンに導いてくれたジョー・ストラマーの映画「ウォーカー」サントラ盤LP。
50歳で逝ったジョー、あらためて良いもの作ってくれたんなだなぁと感謝である。

BGドリンクは生田の水道水でした。さぁ、いよいよ19日と21日のライブが近づいて来ました。みなさんに会えるのを、そして良い時間を創れるのを楽しみにしています。ではライブでロケンロール!
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